四次元は近くて遠い




!注意!

これこれの続きでやっぱり
オタ赤崎×椿です。


耐えられる人は















近頃は練習中だろうがロッカールームで話していようがシャワールームで擦れ違おうが椿に彼女がダブって仕方がない事がある。
所詮は彼女は二次元の住人である事は重々理解してるし(二次元の壁なんて無くなってしまえば良いのに)、椿は実在していて性別だって男だ。彼女の面影を椿に見る事は許されない。
第一、彼女は俺の嫁だ。その彼女を男に重ね合わせるなんて論外だろ!たとえそれが彼女そっくりな椿だったとしても。

「椿はさあ、付き合ってる奴とかいんの?」
「あー、気になる。実は居たりしてなー!グラマラスな体型でお姉様タイプの彼女とか。」
「い、いないっスよ!!彼女なんかいないっス!」

それと無く椿の声がした方を眺めて見る。
タンさんとガミさんのいい玩具になっている椿は耳まで真っ赤になりながら必死に反論を試みている。
止めとけ、お前じゃ分が悪い。

「そんな慌てんなって」
「そうそう、別に奪おうって訳じゃないし」
「ホントにいないんスよ、ホントっス!」
『ホントにいないんです。ホントですよ!』
(…!?)

椿が、彼女の言葉を喋った…!?
今の台詞が声付きで再現されたのは当然の事として、このシチュエーション、台詞、表情。完璧じゃねーか!
彼女の場合は教室で女友達に囲まれながらの一言だったけど、それ以外は完璧だ。ゲームの内容が再現されてるなんて中々見れるもんじゃない。
……喩え、それが登場人物の性別が全員反転していたとしても。

「なぁなぁ、赤崎がさっきからずっとこっち見てるんだけど…」
「混ぜてほしいんじゃねえの?」

俺の嫁である以上彼氏が居てもらっちゃ困る。
初めてそのイベントシーンを見た時は彼女のフリー宣言にリアルでガッツポーズをしたもんだったが、直後にイベント前にセーブデータを残すのを忘れていて非常に落胆したことを覚えている。

「おい、赤崎!お前さっきからどうしたんだよ?」
「混ぜて欲しいなら言っちまえよ、な?」

茹蛸の様な肌色をした椿とやたらと楽しそうな表情のタンさんとガミさん。…なんだか、イライラする、
別になにが気に入らないって訳じゃないけど。

「寂しがり屋の赤崎くんは彼女はいるのかな?」
「別に、そんなのいませんよ」
「へぇー?たまに夜部屋から話し声するって世良が言ってるけど?」
「はぁっ!?」




話し声って、もしかしてアレなのか?

ゲームなのか!?

なんてことチクってくれてんだよ世良さん!




「で?赤崎くんの彼女はどんな子なのかなー?」
「彼女なんかいねえっスよ!」
「嘘付くと為にならないぞ?」
「嘘じゃねえよ!コイツ、椿が俺の嫁っスから!」

冗談じゃなく、場の空気が凍り付いた。名指しで呼ばれて指まで刺された椿は顔面蒼白になっている。そして俺に注がれる視線。





あ、俺終わったなって思った



  

2010/9/18/sat

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