※エイプリルフールに公開したジョークページです

【志賀君の学園ラジオ・リターンズ】


〜音楽〜

「――お昼の校内放送の時間です」

「全校生徒のみなさん、昼休みいかがお過ごしでしょうか。こんにちは、監査の志賀です……とかいうこの挨拶もなんか懐かしいな」
「この放送、最終回を迎えたはずが地味に好評だったらしくて、生徒会のゴリ押しによってこうして復活しました。委員会的にはこれ以上俺らの仕事増やしてほしくねーんだけど」
「あーさて。今回は記念すべき復活放送ってことで、なんと、特別ゲストが来てます!」
「ご存じの方も多いでしょうが、ていうかうちの学園で知らないヤツがいたらむしろレアかもしんねーなっていう――」
生徒会会計の仁科天佑君です!

(SE)(拍手)(学園中のあちこちで歓声)

「ハァイこんにちはー。みんな元気〜?ゲストの仁科てんゆーでーす!」
「仕事増やしてくれた元凶の生徒会から引っ張ってきましたー」
「こーゆー楽しい企画なら俺は大歓迎だよ〜。てか志賀ちゃんなにその『仁科君』って。いつもみたいに呼んでよぉ」
「いやこれ学園中に流れてるやつだから。真面目にやんねーと色々と」
「生放送はハプニングあってこそでしょぉ?」
「待て待ていきなり不穏な発言やめろ!平和に終わらせてくれよマジでほんっとマジで頼む!」
「はーい」

〜ジングル〜

「えー気を取り直して。まずはおなじみのこのコーナーからいきましょう。志賀君のお悩み解決コーナー!
「勉強、恋愛、友人関係、ホームシックなどなど悩み多き皇鐘台男子の強い味方、志賀君があなたのお悩みを聞いてあげましょうという企画です」
「今回は心強い仲間、人生経験豊富な仁科君がみんなのお悩みを解消してくれます。俺はいつもどーりただ聞くだけな」
「そんなこと言わないで二人で解決しようよ〜。じゃ、最初のお悩みお願い、志賀ちゃん」

「学園ネーム・スーツピュアラブさんから」
「『志賀君こんにちは。僕は読書が好きです。ですがあまりに熱中しすぎて夜更かしをしたり、話しかけられても気づかないことがあります。良くないことだとわかっていても止められません。なのでぜひ、アドバイスをお願いします。』てことなんで、仁科君どうぞ」
「さっそく俺に振っちゃうんだ。別にいーんじゃない?そこまで熱中できる趣味があるのっていいと思うけど。どーしても治したいっていうならタイマー使ったらどお?」
「お、案外まとも。三十分ごとに音鳴るようにしとくとか?」
「そーそー」
「それが習慣になれば、時間とか周りの声とかに自然と気づきやすくなるかもな。この方法、ためしてみてくださいスーツさん」

「はい、じゃあ次のお悩み。学園ネーム・うさぎのおなかさん。おっ、なんか癒し系な名前のやつ来たな」
「なになに?『志賀君、悩みを聞いてください。俺はいまアルバイトをしています。将来の仕事に役立ちそうだと思ってはじめた少々特殊なバイトですが、雇用主は人使いが荒く、顧客の注文も多いハードワークで毎日ストレスが溜まりまくっています。イライラに耐えかねてつい手が出そうになります。』……おいちょっと待て手は出しちゃダメだろ!?」
「志賀ちゃん続きー」
「ああ、うん。えーと『そうなる前に、良いストレス解消方法を教えてください。』とのことです!よかった踏みとどまってくれて!てなわけでどうよ?」
「う〜んそうだなぁ。俺はねぇ、そういうときは体動かすの好きかなー。ノリいい音楽聞きながらジョギングしたりね。海中の映像とかアクアリウム見るのも落ち着くよ〜」
「たしかに水の流れって見てるとなんか無心になれるよな」
「志賀ちゃんは?」
「俺は友達とかと集まって、喋ったりゲームしたりお菓子食ったりしてワイワイやってると気分転換できるわ。一人で溜め込むのが一番ダメ」
「なるほどー。じゃあそういうときは俺んとこ来てよ。一緒にストレス解消しよ?」
「……なんかお前が言うと変な意味に聞こえるんだけど」
「えー?ヘンってどんな風に?」
「ニヤニヤすんな!はいもう終わり!次!」

「学園ネーム・質実剛健さんから」
「『志賀君、いつも業務ご苦労様です。さっそくですが、近頃の皇鐘台生について己の所見ではありますが、心身ともにだらしのない輩ばかりであることを憂いています。そう思うせいか他人に頼らずに、全て自分でやろうとしてしまう癖があります。周囲からは何も言われませんが、これで良いのだろうかと自問自答の日々です。監査委員は少人数ながら一致団結して業務をこなしている様なので、そのあたりの忌憚なきご意見をお聞かせください。』」
「やべぇ……軟弱代表の俺には答えにくいお悩み来たわ。あと俺らは分業しないと委員会が回らないだけだからな。おい天……仁科君、これどう思う?」
「ぶっちゃけ扱いづらい堅物って感じ」
「なにいきなり辛口になってんだよ。えーとそうだなぁ、この『周囲』ってのはクラス?部活?委員会とか?ちょっとよくわかんねーけど、責任感が強いんだなってことは伝わってきた」
「てか俺にこうやってお悩み送ってくるってことは、質実さんも本心は人に頼りたいのかもな」
「誰だって全部が全部完璧にはなれないし、それを互いに補ってくのが社会ってもんじゃねーのかな。質実さんに頼られた人は嬉しいと思うし、そうすることでみんなと高め合っていけばいんじゃね?」
「わ〜志賀ちゃん優し〜い」
「お前がまともに答えないからだろ……」

「じゃあ次な。学園ネーム・ナナシ男さん」
「『いつも志賀君の放送を楽しく聞いてます。僕は先日、恋人とつまらないことでケンカをしてしまいました。仲直りしたくても話を聞いてもらえません!どうすればいいか教えてください!』だってよ。お前の得意分野っぽいの来たぞ、仁科君」
「得意かなぁ?てゆーか相手の子に『ごめんね大好き』って言ってキスすれば一発で仲直りできると思うんだけどー」
「そんなお手軽な方法が通用すんのお前だけだから」
「それが通用しない志賀ちゃんに言われてもね〜。うーん……そもそもこれナナシちゃんが『つまんないこと』って思ってるところが問題なんじゃない?」
「うわ、核心いった」
「相手にとってはつまんないことじゃないだろーし、まずはそこ謝って、また同じ間違いしたくないからーって言って話し合うとこからはじめたらいーんじゃない?」
「まあ相手の人も引くに引けなくなってる可能性あるし、話し合い大事。早いとこ仲直りできるといいな」

「次読むぞー。学園ネーム・ムカデ一位さん」
「『志賀君お疲れ様です!僕は、自分ではそんなつもりはないのに、よくドジっ子だと言われます。たしかにちょっとうっかりするときがあるのは自分でもわかっています。ということで、そんな僕を一喝してください!その声をスマホに入れておいて気を引き締めたいです!』」

(SE)

「はい!てことでいい振りが来たのでここで急遽新企画をやりたいと思います!名付けて、この声、あなたに届けたい!のコーナー!」
「ん〜?なぁにそれ?」
「ゲストの仁科君が今からいい声でメッセージ言うから、各々録音してアラームに設定するなりなんなりしてくれっていう企画」
「そんな緩い感じでいいんだ?わかった、いーよぉ」
「じゃあまずはおはようのメッセージから。放送聞いてる仁科様ファン、準備はいいか?3、2、1、キュー」

「『ねぇ起きて、朝だよ』」(エコー)

「はい次、勉強が捗らないとき。3、2、1、キュー」

「『もう少しだから頑張って〜』」(エコー)

「最後に喝を入れてください。3、2、1、キュー」

「『もー、ダメでしょぉ?』」(エコー)

「……気が抜ける……」
「そうかなぁ。いい感じに言えたと思ったのに」
「いやまあ一定の効果はある……か?」
「そんなん言うなら志賀ちゃんがやってよー。てゆかもともと志賀ちゃんご指名じゃないの?」
「俺!?まあそうだけど……えーっと……」

「『何やってんだお前、しっかりしろよ!』」(エコー)

「かーわいーい!てか志賀ちゃんだって笑ってんじゃん。喝どころじゃないじゃん〜」
「ごめん、俺も人のこと言えなかったな。えー仁科君、ご協力どうもありがとうございました。ムカデ一位さん、こんな感じでいいでしょうか?うっかりが減らせるように頑張れよな!」

〜ジングル〜

「ということで、残念ながらここで時間が来てしまいました」
「あっという間だったねぇ」
「今日は来てくれてありがとうございました、仁科君」
「志賀ちゃんとお話しできて楽しかったよ〜」
「では、放送の最後にリクエスト曲です。学園ネーム・Jokeさんから。――今日は何の日?

〜音楽〜

「それじゃ、今回はこのへんで。お届けは監査委員、志賀理仁とー」
「生徒会執行部会計の、仁科天佑でしたぁ」
「またいつかお会いしましょう。このあとも、楽しい昼休みを過ごしてくれよな!」
「みんな聞いてくれてありがとー!ばいば〜い!」

〜音楽〜


〜フェードアウト〜



――放送後――

「はー……なんとか無事終わったな。一人んときより疲れたわ、マジで」
「俺はめっちゃ楽しかった〜。ねぇ、俺頑張ったからお疲れさまのチューして、理仁」
「あとでな」
「今がいいー」
「お前放送室にどんだけ人いるかわかってんの?窓越しにすっげー見られてんだけど」
 (※この学園の放送室は機材室と録音ブースが分かれてます)
「え〜見られるくらい別にいーじゃん」
「お前な。一応俺の先輩とか後輩いるからさすがに……」
「じゃあ俺からしたげる。お疲れさま〜」
「うおっ!……ってデコかよ焦ったわ」
「ふふ、コッチの方は楽しみにしとくね。あとで」



――おまけ――

放送風景イラスト
(イメージを固めたくない方はご注意ください)


end.

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