サンプル(大人の玩具)


「……あのな仁科、なんでも言うこと聞くとは言ったけど」
「うん?」

 こういう展開になるだなんて全く予想してなかった!


 ことの始まりは、仁科が誕生日だと知ったことに起因する。……一ヶ月前に過ぎた、誕生日。
 俺は全く気にしてなかったが――いや、なにやら周辺が騒々しいなとはうっすら思ってた。それが仁科様のお誕生日祝いに沸く生徒たちの喧騒だとは気付いてなかったという話だ。
 萱野と世間話していたときにそれが発覚した。

 知ったら知ったで何もしないのも居心地悪く、とりあえず仁科に聞いてみた。誕生日過ぎちゃったけど、なにかお祝いやるか?って感じに。
 仁科は少し考えたあと、にっこりと極上の笑みを浮かべながら「志賀ちゃんがほしーな?」とタラシな台詞を吐いたのだった。

 そして俺の目の前に出してきたのはありとあらゆるアダルトグッズ。いわゆる大人のおもちゃってヤツだった。
 それらは安っぽいピンクや緑色をしていて、おもちゃっぽいのに形がグロテスクで卑猥だ。

「それ、何でそんなもん持ってんの?」
「もらいものだよぉ。こういうの、俺はキョーミないんだけどいつか使う日が来るかなーって思って。もちろん、全部新品未使用だからね」

 そりゃ、仁科ほどのエロテク持ちなら道具なんて必要ないだろう。
 仁科が試しに動かしてみている。電池切れなんて空気の読めない道具はひとつもなかったようで、全部稼動しそうだった。

「ん〜……これから試してみるー?」
「な、いや、ちょっ……」

 にんまりと口角を上げた仁科は、ピンクローターのスイッチを入れた。ブブブブ、と楕円形の部分が小刻みに振動する。
 そして釣り糸のようにケーブルを垂らして、後ろ手を縛られベッドに転がされている俺のへそあたりに振動しているローターを滑らせた。

「……っ」

 むずがゆい感覚に背中がぞわぞわとする。
 ローターはそのまま、つぅ、と俺の腹を滑り、やがて乳首に到達した。
 細かい振動がもどかしい。いっそ押し当ててくれたほうがいいと思うくらいの、際どい刺激。


〜中略〜


「仁科っ……もう、無理っ……」
「まだいけそうだよ? ほら……もう一個」
「ひっ」

 つぷ、と玉のようなものが俺の中に入ってくると、アナルがきゅっと縮んだ。
 仁科は実に楽しそうに、うつ伏せになって尻だけを高く上げた俺にアナルパールを埋め込んでくる。尻の中の異物感が半端ない。
 生身のものが入ってくるのとは違う、冷たい無機物に犯されていく感覚に震えた。

「すごいね、全部入っちゃったよー?」
「いや、だ……っ、もう、出せよ、仁科……っ」
「ん〜いいよ」
「……っ!」

 仁科がアナルパールの紐を引っ張った。
 数珠繋ぎのソレは、等間隔で俺の中から抜け出していく。そのたびに敏感な前立腺を引っ掛けていくから、俺はビクビクと腰を振りながら喘いだ。

「あっあっ、あっ、やっ、ちょ、だめだ、って……!」
「ふふ、こんなので感じちゃうんだ?志賀ちゃん、や〜らしー」

仁科は、ちゅ、と俺の尾てい骨あたりに軽くキスを落とした。

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