29


間を空けないよういそいそと戻ると、紘人はほんとにそのままの体勢で待ってた。
背中剥き出しで、ズボンが中途半端にずれてお尻の割れ目がちらりとのぞいてるエロい格好。自分がしたことながら、これは俄然滾る。
だけど腕の中に顔をうずめていて、もしかして泣いてるんじゃないかとちょっと焦った。

「紘人?」
「ん……」

顔を上げた紘人は泣いてないかわりに真っ赤だった。

「どうしたの?」
「な、なんでもない……」
「もしかして俺がいなくなって寂しくなっちゃった?」

彼シャツを脱ぎながらからかったら、紘人はまた腕の中に顔をうずめながら、うー、とか、んー、とか曖昧な返事をした。えっ、まさかの図星?
紘人に思いっきり甘えてほしいって思ってたけど、実際直面するとヤバイ。刺激的すぎてクラクラ眩暈がした。シャツが手から滑り落ちる。
一瞬目の前が真っ白になって、紘人の上に倒れ込んだ。手探りでリモコンを握ってテレビを消し、そうしてから、赤くなってる耳の先にキスをした。

紘人から俺に注がれる好意に触れるたび、連鎖反応みたいに気持ちがどんどん大きくなる。好きの感情に限界がない。
今もう、好き以上に好きって感じ。

「俺、紘人のこと好きすぎて死にそう……」
「……うん、僕もきみが好きだ」

バカバカしい音が消えてしんと静かになった部屋に、俺たちの何度目かの告白が響いた。
紘人が首を捻ってそっと俺のほうを見上げてくる。うしろから細い顎を捕らえて、またキス。
そうしながら紘人のズボンをずり下げた。尻の谷間に指を這わせるとピクッと腰が揺れる。指先を穴に潜り込ませたら、紘人は甘い声を上げながらクッションに頬を押し付けた。

「あっ……」
「……なんか濡れてない?ちゃんとローション洗った?」

セックス後は別々にシャワー浴びたから考えもしなかったけど、もしかしたらうまく洗いきれてないのかもしれない。
あれだけネバネバでトロトロのローションだったし、自分だと手も届かなくて難しかったんだろうなぁ。そこまで気が回らなかった俺ってサイテー。

「ごめん、そういうの全然気ぃ遣えなくて。一人じゃ大変だったよね?あとで一緒に風呂入ろ」
「……は、恥ずかしいから、そういうのは自分でやる……」
「や、できてないし。つーかもっと恥ずかしいことしてんじゃん。今も、ほら」

ローションが残って濡れてるソコに指を半分まで挿れる。

「んっ」
「痛い?」
「だ、だいじょ、ぶ……、んっ……」

指で中を探るようにして押し開く。本人が大丈夫とか言っても心配だからローションを足した。さっきの経験を踏まえて、出しすぎないよう量を調節しながら。
狭いけど入りやすくなってるみたいで、我慢のきかない俺はさっさとパンツまで脱いでゴムを付けた。
完全にうつぶせ状態の紘人の上に跨って尻を左右に割り開く。ローションで濡れてヒクヒクしてるアナルが目に入り、そのいやらしさに思わず喉が鳴った。
俺のチンコを小ぶりな尻の谷間に挟んで、ゆるゆると腰を動かしてみる。尻コキっていうの?こんなプレイもなかなかいい感じ。

「……ぁ、と、透、何して……」
「えー?紘人のお尻が気持ち良さそうで、つい」
「……へ、変態か」
「うん」

紘人相手なら、俺、いくらでも変態になれるよ。
にゅるにゅる滑らせるたびに紘人の体が敏感に跳ねる。しばらく楽しんでたけど、そうやって十分に濡らした先端をアナルに潜り込ませた。紘人の腰は上げずうつぶせの体勢のまま。
足開くのって結構股関節にくると思うんだよね。さっきのエッチで無理させちゃったし、極力紘人の負担が少ないようにしたい。

「痛かったら言ってね……」
「あっ……あっ……」

クッションに縋りつきながら紘人が喘ぐ。小さい喘ぎは甘く、痛みはなさそうでホッとした。
俺のモノが中に納まったら、すぐに動かないで紘人の背中にべったり重なった。潰さないように注意しながら、でも俺の存在を感じてほしくて適度に体重をかける。

「ん、ぅ、透……」
「こうしてるとあったかいね」
「う、うん……っ……でも、お、重い……」
「んー、だって紘人とくっつきたいし」

ああこれいいな、すげーラブラブな密着感。ぎゅーっと紘人の体を抱き締めながらゆっくり腰を動かす。

「あっあ、ぁ、く、あぁっ、あッ」
「はぁ……きもちぃ……んっ」

ちょっと体を起こして紘人の手を握る。空いた隙間に見えたうなじが色っぽくてキスをした。肩も、背中も、耳もキスで優しく食むように啄ばむ。
握り込んだ紘人の手に力が入って、繋がったところもキュンキュン締められるしで、俺のほうが拘束されてるみたい。

「紘人、んっ、あ、すご……これ、やばい……」
「ぼ、僕も、いい……あっ、あ、下に、擦れて……っ」
「マジ?」

紘人のチンコはソファーに押し付ける形になってるから、それが擦れて気持ちいいみたい。
蕩けた声で「いい」なんて言われたら嬉しくなる。気持ちいいのは俺だけじゃないんだなって分かって胸がジーンとした。
一方でますます勃起が硬くなっちゃって、手をほどいて細腰を掴み、紘人のアナルを突きまくった。

「あ!あっあ、ちょ、透っ……ぁあっ、そんな……んッ!」
「んー……んっ、んっ、ぁ、こんなんじゃ、またすぐいっちゃいそー……」
「やっ、あぁっ、んっんぅ、あっ」

欲望のまま腰を動かしてたら、紘人が一生懸命こっちを向こうとしてるのに気付いた。
背中に覆い被さって顔を近づけると、涙で潤んでとろんとした瞳が俺を見上げてきた。

「紘人?」
「き、キス……したい、透……」

――かっわいい!彼氏にそんなおねだりされちゃったら、そりゃもうチューするしかないでしょ!
無理な体勢にならないように気をつけながら唇を寄せる。
唇の表面に触れて、舌先を出してペロペロ舐めるキスしかできないのがもったいないところ。そのくすぐったさも結構いいんだけどね。
キスするために体を密着させたら更に突き上げる体勢になって、紘人の奥深くまでハマった。

「んんっ……ふ、はっぁ、んっ」
「もーだめ……俺、ダメっぽい……」
「えっ……?……あっ、ああっ!」

指を食い込ませるくらいお尻を強めに掴んでガンガンに攻める。すぐに射精感がせりあがってきたから一番気持ちいい角度で抜き差しした。

「あっ、んぅっ!あっ、透っ、透っ……!」
「ひろと……っ、くっぅ」
「んんっ!」

ぎゅうっと中が狭まって、痺れるほどの快感が俺を襲う。その昂りに逆らわず、声を上げながら気持ち良くイッた。


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