26


「あー……」

根元まで紘人の中に納まると、その締めつけの気持ち良さに思わず声が漏れた。このゴム、薄さも付け心地も抜群で全然違和感がない。
紘人のアナルは呼吸するみたいに俺を締め付けたり時折ふっと緩んだりする。気持ち良くて眩暈がした。けれどもっと強い快感がほしくて自然と腰が揺れる。

「もう……紘人ん中すっごい。キッツ……マジ、止めらんない」
「あっ、う、透、透……っ」
「うん」

俺、今、超幸せ。紘人に愛されてるって実感してるから。

「んっ……ん、ぁ……ふ」
「ひ、ろと……」

徐々に抜き差しを速く強くしていく。それにつれて、紘人の体を思いやることができなくなりはじめた。
ふと、萎えちゃってる紘人のチンコが目に入ったから軽く握った。そうするとアナルがまたぎゅうっと狭くなって、腰から背中にゾクゾクと快感が走り抜けた。
一定のリズムで腰を打ち付けて中を蹂躙する。そのたびに繋がってる箇所からくちゅっぐちゅっていうエロい音が聞こえた。

だけどそのうちに、紘人の様子がおかしいことに気付いた。体を捩ってやけに逃げ腰になってる。
もしかして痛くてやめてほしいのかな。尻穴を開かれるのって相当負担かかってるんだろうし……。でも俺のほうはすっげー気持ちいいから止めどころが難しい。

「……ど、したの?」
「な、なんか、変な感じがして……っく、うっ……」
「えっ、大丈夫?」
「い、いい……続けて、そのまま、んっ……」

ほんとにいいのかな。紘人は続けてって言うけど、そこまでして無理させたいわけじゃないんだけど。
一回止めようかと思ってちょっと引き抜いたその瞬間、紘人が「あっ!」と甲高い声を上げた。それと同時に中も、引き絞るようなうねりがあった。

ずっと口を押さえていた手がはずれ、紘人のエロ声が部屋中に響き渡った。どうも痛みで悲鳴を上げてるわけじゃないらしい。
そのまま浅いところの内壁をチンコで擦ったら、ものすっごいエッチな喘ぎが止まらなくなった。
やがてようやくピンと来た。事前に男同士のセックスについて散々調べたから、アレかもって。

「紘人なに、ほんと、え?」
「んんっ、あっ、ぁっ、やぁ……っ」
「なんか前立腺とか、そーゆーの?」
「そ、なのか……し、知らなっ……あっ!ぁんっ!」

エロい。めちゃめちゃエロい。顔も、首筋まで真っ赤に染めて今まで見たことない感じのよがり方して、破壊力のある色っぽさ。
あ、なんかキた。すげーキた。頭の中真っ白になっちゃって、抜こうとしてたチンコを奥まで突き入れた。

「あっあっ!あ、や、透っ!透っ……!」

やばい、たまんない。気持ちよくて止まらない。
何も考えられなくて、この人のことが愛しくてしょうがなくて、紘人に覆い被さってその体を抱き込んだ。
それでも満足感が得られなかったからキスで唇を塞いだ。そしたら紘人の腕が俺の背中に回されて、よりぴったりと密着できた。汗ばんだ肌が熱い。

「も、可愛い……紘人、すげー可愛い、好き……」
「あっ、あぁっ、んっ、くっ、ぅ」

こんなにくっついて、繋がって、一つになるってどうして苦しいんだろう。なのに苦しいのが気持ちいいなんてどうかしてる。

「中あっつい……とけちゃいそう……」
「ぼ、僕も、んっ、すき……」

唇を触れ合わせたまま俺も紘人もこもった声を上げた。だけど唇の上で直接響くから、言葉ははっきりと伝わった。

「透……きみと抱き合えて、嬉しい――」

紘人のそのひと言に胸が射抜かれるとともに、ピュッと出ちゃったものがある。
あ……俺、イった?でも不完全燃焼っていうか、一向に熱が収まらない。

起き上がって一度引き抜いてみるとゴムの先に少し精液が溜まってた。
あークソ、これじゃもう使えないじゃん。
さっさと口を縛って捨て、新しいゴムに付け替えた。
激しく胸を上下させて呼吸し脱力してる紘人の足を、再び大きく広げて腰を抱え上げる。今度は容赦なく一気に挿入した。

「ひっ!あ、あぁっ……!」
「……軽くイっちゃった。でも、まだ足んない……」
「あっ、透……ッ!あ、やっ、僕もう、無理、だ……!」

怯えたような紘人の声。俺を押し返そうとする手に指を絡ませて握り、ベッドに縫い留めた。

「もーちょっと、だから、ごめん」
「だ、駄目、あっ、んんっ……!」

その弱々しい抵抗が逆に燃える。マジで頭の中わけわかんなくなっちゃって、紘人を激しく犯した。
シーツなんかもうぐちゃぐちゃに乱れてて、その中ですっごい声で喘ぐ紘人。この人のことが大事で仕方ないのに、ずっと抱いてた汚い欲望のままに荒いセックスをする。
ごめん、ごめんね、あとでいくらでも謝るから今だけ許して。
紘人の何もかもが愛しくて、律動に合わせて揺れる性器を捕らえて扱いた。上下に擦ると、間もなくしてそこから生温かい精液が俺の手の中に放たれた。

「あッ、とっ、透……っ!」

射精とともに何度も中で揉みしだかれ、艶っぽい掠れ声で名前を恋人に呼ばれる――これで昂らないわけがない。

「紘人……俺も、また、イっていい?」
「んっ、うん、うん……っ」
「う、くっ、紘人、イきそ、あっ……!」
「あっ、あぁっ!」

ぶるっと腰が震えた。ゴムの中で思いっきり吐き出す。それは最高の射精感だった。
セックスに夢中になってるうちに離していた恋人の手をもう一度強く握り込んで、この絶頂の瞬間を紘人に伝えた。


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