18


透は躊躇いなく、勃ち上がった僕のペニスの先端にちゅっとキスをした。先走りが染み出しているそこに。
彼が舌を見せながら唇を離すと、鈴口から糸を引いた。唇に付いたカウパー液を舐め取る姿がすごく色っぽい。

「ヤバいね。もうこんなに汁出てるよ……」
「あっ、や、やだ……透……っ」
「じゃあ手でやってあげる」

透は、枕元に置いた袋の中からローションボトルを取り出した。ピリピリと包装を剥いで、掌に中身を出した。
透明な粘液を練るようにして掌に広げ、濡らすと、その手で僕のペニスを強めに握った。

「……あっ!」

とろりとした感触とともに敏感なそこが掌に包まれて体が跳ねた。
僕のペニスは透の手によってローションまみれになり、その状態で上下に手を動かされてはあまりの気持ち良さに腰の辺りに震えが走った。

「んっ!あ、あぁっ」
「すっげー気持ちよさそ……」
「い、いい、だめ、あっ」
「いいの?だめなの?どっち?」

続けてほしいけれどそれを素直に言うのはなんだか抵抗がある。なんと答えていいかわからなくて顔を逸らした。すると首にまた透の唇が這った。
耳をぱくりと咥えられて気の抜けたようなおかしな声が出てしまう。
透の器用な手が僕の性器を丹念にいじくりまわすから、本当にもう、何も考えられなくなった。

「ぅあ、んっ、んっ……」
「ねえ紘人……キスしよ」
「ぅ、んん……」

顔を正面に向けたらすかさず透の唇が僕の唇を捕らえた。
触れるだけのキスじゃなくて熱い舌が唇の表面を這う。僕はそれを受け入れ、夢中で自分の舌を絡めた。
深い口付けに酔っていると、透は竿に指を滑らせて下のほうに移動させた。ローションで濡れた指が僕の後ろの穴に触れる。

「もっと足開いて、腰上げて……指で慣らすから」
「あ、あの、透……っ」

アナルセックスというくらいだからそこを使うのは知ってるけれど、すごく恥ずかしいし背徳感が強い。きっと透も僕みたいに色々調べたのだろう。男同士のセックスを。
戸惑っている僕に対し、透は有無を言わさず足を割り開いた。強引だけれど、そうされないと僕が動けないのを承知しているみたいだった。
ローションをさらに増やし、とろとろとした指が窄みの襞をなぞる。

「ん、く……っ」

指が一本、中に入ってくる。ものすごい異物感だけれどローションのぬめりのおかげかそれほど痛くはない。そして何度か抜き差しして二本目が。
透が指を動かすたびにくちゅくちゅと粘性の高い音が聞こえた。三本目が入る頃には僕は彼にされるがままだった。

「……あれ、これローション多すぎた?やべ、シーツにまで垂れちゃった」

透がそんなことを言うが、僕のほうは加減も何も分からないので唸り声で応えた。
すると唇にキスが降ってきた。何度か舌を絡めながら啄ばむ。そうしながら指がするりと抜けてゆくと、緊張していた体中の力も同時に抜けた。
がさがさという音がする。透はいつのまにか下着を脱ぎ去り、スキンを箱から取り出して勃起したそこに装着していた。
その様子をぼんやりと見つめていたら再び口付けられた。今度はちゅっと可愛らしい音のする軽いキスだ。

「なんか恥ずかしーからあんま見ないでって」
「え?あ、す、すまない……」
「一応聞くけど、ほんとに平気?」
「い、いい。二言はない」
「紘人さんかっこいい。ちょー惚れる」

透が軽く笑ったそのとき、腰がぐいっと持ち上がった。膝を折り曲げて性器を余すところなく曝す格好になり羞恥が沸騰した。
ローションで濡れている尻の谷間に透のペニスが擦りつけられ、そのまま滑るように行き来する。
心臓は壊れそうなほどドクドクと脈打っている。緊張なのか、期待なのか――感情が昂りすぎたために瞳が潤んだ。
丸みを帯びた先端が入り込んでくると、思わず両手で口を塞いだ。声にならない掠れた喘ぎが塞いだ指の隙間から漏れる。
少しずつ、入ったり出たりを繰り返す熱い塊。透の身体の一部が、僕と繋がろうとしている。

「……どう?大丈夫?」
「んんっ……」

口を塞いでいないと叫んでしまいそうだった。
思っていたよりも、なんというか、すごく嬉しい。狭い穴を開かれる痛みはあるけれどそれ以上に胸がいっぱいだ。
僕を気遣う言葉をかける一方で、透も呼吸を乱しながら腰を進めてきた。挿入しながら抜き差しを始めている。

「なんか俺さあ、今、めちゃくちゃ感動してんだけど……」
「ぼ、僕も、同じ……ん、ぅ」
「……あー……もう、紘人ん中すっごい。キッツ……マジ、止めらんない」
「あっ、う、透、透……っ」
「うん」

僕が必死に呼ぶと透は締まりのない顔で応えた。
いかにも気持ち良さそうな蕩けた表情を見せるから、僕はまた満たされた気持ちになった。


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