15


「……ひろとー……」
「…………」

常夜灯がついている薄暗い部屋の中、ベッドに向かって小さく声をかけてみても完全に寝入ってる様子だった。
そのとき、サイドテーブルに置いてあった紘人のスマホがブーブーと振動した。なんとなく目をやると、そこに表示された名前を見てぞわっと背筋が粟立った。

――真田司狼。紘人の親友で、そして紘人のことを狙ってるヤツ。

メールじゃなくて電話だ。紘人はまだ寝てる。
一度切れて、またかかってくる。それをもう一度。三度目でようやく着信に気付いたらしい紘人が呻きながら手探りでスマホを引き寄せた。

「……もしもし」

気だるげに返事をする様子をじっと見る。俺のことは全然気付いてないみたいだ。

「ああ、司狼か……。は?いや、いい、捨ててくれ……。別に……わかった、明日取りに行く。この前と同じ場所でいいか……違う、きみの家じゃない。飲んだ店のほう……」

――なんかもう、色々と限界だった。
ベッドの中で寝惚けながら電話してる紘人の手からスマホを取り上げて、通話終了ボタンを押した。
そこでようやく俺の存在に気付いた紘人がびっくりしたように見上げてきた。むくりと起き上がって自分の顔をひと撫でする。

「なんだ、帰ってたのか透」
「…………」
「透?」

スマホをベッドに放り投げて上着を脱いだ。アクセも指輪もはずして、フローリングに投げ捨てる。
そうして紘人の肩を掴んでシーツに力ずくで押さえつけた。

「と、透?」

戸惑ったような声も無視して唇を塞ぐ。少し乾いた唇は、それでも柔らかくてそのぶん噛みつきたくなった。
下唇を吸うように齧って、舐める。紘人が軽く抵抗してくるけど、それも無視した。

「あの、どうしたん、だ、急に……。いつ帰って――」

答えずに紘人の体をうつ伏せにさせた。まだ寝惚けてるらしい紘人は簡単に俺の思い通りになる。
背中に覆いかぶさりながらうなじに噛みついた。

「痛っ……ちょ、と、透……」

寝巻きのズボンと下着をずり降ろして滑らかな尻を撫でた。鳥肌立ってる肌を強めに揉んでから手を前の方へずらす。紘人がビクッと震えた。

「透、ま、待ってくれ!あの……っ」
「黙って」

柔らかい茂みをざらりとかき混ぜてから萎えてるチンコをやわやわと揉むと、刺激を受けて半ば反応した。耳にも齧りつきながらこりこりと歯を立てる。
だんだん肌が汗ばんで息が上がる紘人のそれを扱き上げる。何度もやってるから紘人が好きなところは知ってる。
先端の鈴口に指を押し当ててぐりぐりと刺激すると、ぬるつくものが触れた。

「ん……っ」

強引にされてるのに感じてるような吐息が紘人の口から漏れる。


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