おまけ




風呂に入って中出ししちゃったのを洗ったりお互いに汗を流したあと、二人で湯船に浸かった。
広い浴槽だから、余裕ってほどでもないけど一緒に入れる。対面で足を絡めながらキスをたくさんした。
明るいところで見たら紘人の肩や首に噛み痕がいっぱいついてて、自分でしたことながらドン引きだった。紘人には改めてこれでもかってほど平謝りした。

「……んで、明日行くの?あいつのとこに」
「司狼の家には行かない。二次会に行った店で待ち合わせるつもりだ」
「んー俺も行っていい?」

俺の提案に紘人が目を見開いた。
別に浮気を疑ってたわけじゃない。でも真田の存在は俺にとって鬼門中の鬼門なんだよ。妙な対抗心が湧いてくるっていうか。

「構わないが……」
「なに?」
「ああ、だったら司狼にちゃんと言う。きみのこと」

そうしてくれたほうが嬉しいけど無理してカミングアウトしなくてもなあっていう気持ちもある。
あいつの恋愛感情は置いておいても、紘人って友達としての真田のことは信頼っていうか尊敬してるみたいだし。
紘人が俺に体をぐっと寄せて軽いキスをした。ちゃぷんと湯が揺れる。

「……いーの?」
「いいんだ。そうでもしないと、司狼は納得しないと思うから」
「うん、そっか」
「……あと」
「ん?」
「あ、天羽君のこと……なんだが」

せっかく忘れてたのに突然出てきた名前に顔が強張る。
固まっちゃった俺の手に紘人の指が絡んだ。

「僕は透のこと、彼に渡すつもりはないからな」
「……なんなのあんた、今日可愛すぎてやばいんだけど」

きりりとひときわ引き締まった表情でされた『僕のもの宣言』に俺のハートがズドンと射抜かれた。
ふらついてたメンタリティがしっかりと地に足付くような感覚に満たされる。

のぼせる寸前まで紘人とキスしたり抱き合ったりして――結局、風呂から出たあとにもう一回戦した。丁寧に優しく、どろどろに溶けるようなセックスを。
俺はさっきの強姦まがいのこともあって遠慮したんだけど、紘人のほうがやりたがるという美味しい状況だったからありがたく乗らせていただいた。
ほんと俺って、この人に弱いなあ。

そうして事後の余韻に浸りながら、俺も紘人も心穏やかな眠りに就いた。



end.


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