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十分に柔らかく蕩けてきたアナルから指が抜け出すと、かわりに硬い勃起がそこに押し当てられた。

「挿れるよ?いい?」
「う、ん……んぁっ!あッ!」

挿入の瞬間、エリオットは反射的に全身を強張らせた。けれど慣れたもので、すぐにジンイェンの熱をその身に受け入れようと力を抜く。
浅く抜き差しをしながら徐々に深くなる挿入に、痛みもあるが歓喜のほうが上回った。落ち着かせるように頬や耳に優しく口付けられると胸の奥がじんと痺れる。
そのまま中をぐりぐりとペニスで刺激され、ちょうど良い場所に当たり快感は増した。

「あ、あ、ジン、いっ、いい……っ」
「……エリオット、ちょおっと、俺につかまって?」
「え……?んんっ、あっ!」

エリオットは言われるがままジンイェンの肩に腕を回ししがみついた。背中と腰を支えられ、ぐいと体が持ち上がる。
繋がったまま起き上がる体勢になり、向き合った状態でベッドに座り込んだ。すると自分の体重がかかって結合がより深まった。

「ジン……こ、この体勢っ、は……」
「ん、これならいっぱい、抱き合えるかなーって思って。どう?苦しくない?」
「い……痛みはないが、んっ、当たるところがいつもと違って……」
「そうだねぇ、なんかすげー新鮮」

ジンイェンは上機嫌でエリオットにキスをした。体勢が馴染むまでそのまま何度も口付ける。
そして待ちきれないとばかりにどちらともなく体を揺らしはじめた。動きは次第に大きくなり、安宿の硬いベッドが軋むまでになる。
きつく抱き合い粘膜をこすり合わせると否応なく性感は昂ぶった。

「あっあっ、あ、ジン、もっと……んぅ」
「ははっ……これいいね、んっ、癖になりそ……ッ」

言いながら、ジンイェンはエリオットの乳首に舌を這わせた。芯を持ったそれを舌先で転がすとエリオットの艶めいた喘ぎがいっそう大きくなった。
もっと快感を得るようにと呼吸を乱して互いに腰を動かす。そしてもどかしげに再び唇を重ねあった。

「ふ、ぅ、あっ、あっ、ジン、んぁっ、あっ」
「……宮廷になんか、戻らないでよ、エリオット」
「あっ、あっ!んんっ」
「こ、のまま、ずっと、俺といて……」
「ジン、あっ僕もっ、離れたく、ない」

ベッドの中の戯れの睦言だと分かっていて本心を吐露する。
たった三日、顔を見なかっただけでずいぶんと気が弱っていた。

『リゲラルト師団長はフェノーザに帰す気がないのかもしれない』――エリオットはラルフの言葉を思い出して、ジンイェンの汗ばんだ体にぎゅうと抱きついた。
長期滞在になるかもしれない、それはもとより覚悟していたことだ。しかしそれ以上に嫌な胸騒ぎがした。

突然、再びシーツの波に沈みジンイェンを見上げる形になった。
膝を折り曲げられ、奥深くペニスが押し入る。

「余計な、こと考えない、で、俺のことだけ、感じてて」
「……あぁっ、ンッ、やっ、ジン……、ジン、ん、あっ……!」

先の宣言通り、手加減なしの激しい律動が始まる。
痛みはとうになくなり、ただただ、体が浮き上がるような快感だけがエリオットを襲った。
いつ達したのかもわからないままに、気が付けばペニスから吐き出された白濁で腹が濡れていて、そしてほどなくしてジンイェンの熱い精が中で迸った。

繋がったまま荒い息を吐き、二人はしばらくきつく抱き合った。


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