おお振り ストロベリーヒーロー | ナノ



あっ!ちよがナンパされてる!
アイちゃんと散歩をしていたちよが三星の連中に囲まれてたので助けに行くためちよの元へ向かった。

「あ、えっとーうちのマネジ困ってるんで…散れ」
オレはちよを隠すようにちよの前に立つ。

「いや、別にナンパしてるわけじゃなくて…っっ」
三星学園の奴がオレを見たとたん顔が真っ赤になった。

「え?なに?」
「違うの苺君!ウグイス嬢頼まれちゃって…!」
「えっ?そうなの!?あら、てっきりちよがナンパされてるかと思った。すみません勘違いしちゃって。」
「あ、あの!貴女もウグイス嬢して下さい!」
「あーわりィ"オレ"男なんだ。」
「えっ!?」
ほらっと言いズボンを指差した。

「ちよ、ウグイス嬢やってきなよ皆ちよの声聞くと頑張れるしさ、」
「うん!そいじゃウグイス嬢やるよ!」
「がんばれ、じゃあオレ行く、勘違いして悪かったよ」
そう言い残してベンチに戻る。


(――………もうすぐ、畠君達に、向かって…投げる、のか……シートバッティングで、だって、抑えられた、こと、ないのに、今日は、真剣勝負…オレがっ打たれたら、チームが、負け、ちゃうんだ…)
「三橋」
「はっはい」
「オレすぐ打順だからあとキャッチボール泉とやってくれ立ったままでよろしく」
「あい」
(阿部君は、勝てるって言ったんだ!)

「この試合に勝ってはじめて三橋が仲間になる――か三橋って確かに中学時代から脱出してないカンジだよなァ。三橋ってたぶんチーム内でスゲェ嫌われてたんだろうな。接し方が元チームメイト同士とは思えねェよ。向こうなシカトだしこっちは避けまくってるし……」
「ま、あいつのしたこと考えりゃ当然かもね。相手には恨まれてるだろうし三橋も恨まれて当たり前だと思ってる」
「なんのハナシ?」
「三橋は元チームメイトへの罪の意識でイッパイで学校替わった今でもあいつらにひれふしたままなんだよ」
「"罪"って三橋が投手降りなかったせいで3年間負け続けたってアレか?」
「このチームにひれふしてても公式戦ではまず当たんないからいいけどねー」
「よくねェよ。三橋のあのクサッた負け犬根性……すぐメソメソして人をイラつかせるあの態度……!あんなんがマウンドにいちゃ勝てる試合も落とすっつの!なあ!?」
みんな阿部の気迫に押されてる。

「あのやったかいな性格の基をつくってんのは中学時代の暗い思い出なんだよ。中学時代確かに三橋はチームのためにならないことをしたんだろう。西浦(うち)に来た以上いつまでも中学のヤツラにしばられてちゃこまるんだ!この試合に勝てば三橋は一歩踏み出せると思うあいつのためにこの試合どうしても勝ってほしいんだ!―――頼む」
「なんで阿部に頼まれなきゃいけないんだよ」
「はぁ!?」
「オレらはエースが欲しいから試合をする三橋が仲間だからオレらは絶対勝つただそれだけのことだ。全部自分のため自分たちで意志だ阿部に頼まれることじゃねェよ。」
「――別に負ける気はなかったけどお前のゆーことはわかったよ。いつの間にかズイブン三橋を気に入ったんだな…今日は"ただの練習試合"じゃなくて"うちの投手の将来が決まる試合"だと思えってことだな?」
花井が阿部に聞き阿部はコクッと頷いた。

「「「………」」」
「――さっきの監督のかけ声には勢いで"エースが欲しい"って言っちゃったけどよくわかったよ。気合い入れるよ!」
「うん」
「……うん、わかった!」
ベンチに居る皆が頷いた。
「テンション上がった!」
「先制点入れよー!」


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