投げてェなぁーでもこれは三橋のための練習試合だしオレが出れるわけねェか。打席立てるだけましかねェ。トイレ行くかなどこだトイレ。
「惟世どこ行くんだ?」
水谷に呼び止められる。
「便所だよー」
「オレも行く行く!」
なぜか水谷と一緒に行くことになったちゅーか連れションなんてお前は女子かっ!と心の中でツッコミをしてしまった。
「水谷ぃトイレどこにあるかわかるか?」
「えぇ!?惟世知ってんじゃねェの!?」
「知らんよ」
「マジかよぉー」
「自力でさがっ!!!!ちよっ!水谷ぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
「ん?ってえええええ.!!!???惟世!?どどどうしょうっみんなに知らせなきゃ!」
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この状況は非常にマズイ…織田に捕まってしまった!
「自分なんでこないなとおんねん?」
「〜〜〜っ!」
くそっ!自分こそなんでここにいんだよ!
「自分女やろ」
「女じゃねェよ!」
「ふーん。ほなら脱いでもらおうかここで」
「自分は相変わらずホモなんだな。変態ホモ男」
「ちゃうわ!自分が女やからホモちゃうし!」ここで投げ飛ばしたらマズイかな…どうするオレ! 考えろ!
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「みんなあ!惟世か!惟世が!」
「なんだ?惟世がどうしたんだよ?」
「惟世がっ誰かに連れ去られた!」
「なにいィ!?」
「なになにどーした?」
「惟世が拉致られたって!」
「おいおい!マズイだろ!」
「もう時間がない!皆で手分けして探すぞ!」
「三橋お前はここにいろ」
「オ、オレもっ行く…!」
「いいからいろつってンだよ!!!」
「うっはい……」
****
「手離せ織田」
「離さへん」
やっぱ力づくでやるしかないか!?
「そろそろ離さへんとどつくでェ」
「フンッ女のお前にどつかれても痛とうないわそもそも届かへんやろ」
自分ホンマウザいやつやわ…。あっ…!
「誰かあああ!!!!!変態ホモ迫られて助けー!!!!!」
思いっきりでかい声で叫んだ。
「おまっなに叫んでんねん!」
「惟世?そこに居んのか?」
「こっから声聞こえたよな?」
「あぁ聞こえた」
「花井!阿部!」
「惟世!」
(織田?そいやーこいつら知り合いだったよな)
「お前らなにしてんだよ?」
「みんな探してっぞ!」
「こいついきなりここに連れてかれたんだよ。ホモ野郎みたいだ」
「!ちゃうやろ自分が女やからや!」
「!」
花井が織田からオレを引き剥がす。
「だからちげェって言ってんだろ!いくらオレが女顏だっつったっていい加減にしろよ!」
「いっいこうぜ!」
「おう!」
「チッ」
「…………」
「おい!阿部!急がねェと五回始まっぞ」
「おー」
オレ達はベンチに戻った。
「おい、惟世どこ言ってたんだ?」
「トイレだよ」
「えーだって突然消えたじゃん!」
「み、三星の人が案内してくれたんだよ!」
「えーそうなの?オレにも言ってくれればいいじゃん!」
「すまん!突然のことだったからな!」
「お前ら行くぞ!」
「「おー!」」
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