「落ち着けよ叶」
「二点ぐらいすぐ返してやるって！」
「相手はあの三橋なんだぜ！」
「いーかげんにしろよ何度もいってんだろ。三橋はいいピッチャーなんだよ。オレたちゃ今あいつにパーフェクトでやられてんだぞ。」
「だって」
「お前ら誰もマジメに聞かねェし三橋ですらオレが"いい人"だから"かばってる"と思ってたみてーだけど"オレは事実を言ってただけなんだよ"」
「だって中学で全然勝てなーーー……」
「勝てなかったのはお前らのせいだろ」
「「「！」」」
「お前らオレが言っても言っても三橋はヒイキだっつってあげくに試合で手ェ抜くようになったじゃねェかあの状況じゃ勝てる方が不思議だよ！」
「手ェ抜いたのはさ……っ最後の方たまけだろっ」
「今日三橋が力発揮してんのは捕手の力が大きいんじゃねェか？畠！」
「!!」
「お前が三橋をバカにしないでちゃんと使ってればあいつは中学でもきっと今日みたいな投球できたんだよ！お前は正捕手のクセにずっと三橋を潰してたんだ！オレ達が負けてた原因はホントはお前にあんじゃねェのか！」
「それはっあんまりだ！」
「吉」
「畠は叶のために悪役やってたのに！」
「そそっそーだよ！三橋はヒイキされてたよ！だって監督あいつだけクン付けしてたし！他にもイロイロうあーーー!!思い出して腹が立ってきた!!」
「違う!!実力があったんだ!!」
「それ言ってんのは叶だけだろ!!」
「お・ち・つけ！」
織田は三人の頭を叩く。
「叶……オレもヒイキがなかったとは思えんよ」
「………っ」
「せやけど三橋になんかあんのも認めようやそうせんと今の状況説明つかんやろ。それから叶言い過ぎや」
「〜〜〜〜……ゴメン」
「……イヤ」
「畠がオレのために動いてたのはわかってる」
「いーよもう………」
「聞けよ！」
「「「………っ」」」
「昔の話をしたいんじゃねェんだよ。お前らが三橋をなめてる限り今日勝てねェって言ってんだ！
オレが三橋より上だっつうならオレを勝たしてくれよ！あいつをなめんのやめて真剣にやってくれよ！」
「お前は三橋より上だ！今日勝てばそいうことになるんだな！」
「！」
「宮川！吉！次からはなんとかして塁に出ろ！」
「「え!?」」
「そしたらオレと織田でお前らを帰す！」
「オ、オレか」
「必ず逆転してやるだから安心して投げろ！」
「お、おお！」
「よし！まずこの回終わらすぞ！元気出して行こう！」
三星は気合い改めて四回の表に臨む。
「……………」
「円陣に加わりてェのか？」
「え、え…え〜〜〜」
(…わかりにくい…がやっぱり……三橋は元のチームに戻りたいんだホントはケンカしちゃったヤツラと仲直りしてもう一度一緒に野球をやりたいんだ！ほうしたい気持ちはわかる！こいつにとってはきっとそれが最高なんだろうって思うもん！ーーだけどオレだっていい投手が欲しい！大バクチで入った無名の公立校でこんな投手見つけたんだ絶対手放したくない！それに勝つためには三橋だってオレと組んだほうがいいハズなんだ！)
「トライクアウト！」
「いいよ、いいよ！よく攻めた！さあ大事なのはこの裏！そっかり守るんだよ!!」
「「「「はいっ」」」」
prev / next