『おれを三橋に勝たせてくれ』
(さっきはビックリしたでイキナリテンション上がるんやもん。イヤまてよ叶のヤツ昨日・・・フロで鼻歌うとうてなかったか!?せや・・・フロ出てからまた走り行っとったし今日かて試合前にわざわざフォーク投げてみせよったやないか!さっきイキナリやない叶はずっとテンパッてたんや!理由はわからんが叶は三橋に負けとると思ててそのことにえらいこだわっとる。その三橋と投げ合う機会は多分もうない。叶は勝たなあかんのや!)
「ワンナウトー!」
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くそッ・・・アイツ(織田)が居るとこには打たないようにしなきゃ!!
「しゃあっす!!」
(また随分と小せェヤツ・・・フンッコイツ一丁前に木製バット使ってやがる。こう言うヤツはカッコだけだ!)
コイツ・・・考えとること見え見えやでいい身分やな。
「余裕ぶっこいてんと痛い目に合うでェ」
畠を蔑む目でみる。
「ッ!」
(あの木製バット・・・どこかで見覚えある・・・ まさか!!アイツやないやろうか!?)
織田の胸が高まる。
(あのブルーの目赤みがかった金髪・・・間違いないで惟世苺や!!)
初球打ち狙って行くか。チッ前進守備かよ舐められてんな。織田だけは前進してねェし…。
ニヤリと不敵な笑みを浮かばせる。
初球ファーストめがけて打球を飛ばす。打球はライト方向へ伸びライン上で落ちた。
「フェア!」
「ライト!サードに投げェ!!(アイツのスピードやったらサードまで行くでェ!)」
「おっおう!」
2塁へ向かうのと同時にライトが織田の指示通りにサードへ投げオレはそのまま3塁へ向かう。送球と同時に3塁にヘッドスライディングする。
「…っっアウトォッ!!」
「くそっ!」
「惟世惜しいよ!」
「どんまいどんまい!切り替えて行こうぜ!」
やっぱ三塁まではキツかったか…まだ打席立つ機会はあるしそん時挽回するか。
「ツーアウトー!!」
(うーん畠君は単調で芸のないリードなんだけど迷いがない分サイン出すリズムが速いんだよね。追い込まれたらフォークで打つとられるからただでさえ気持ちが焦るのにこうポンポン投げられたんじゃバットも構える暇も無いよ。せめてフォークに手を出さないでくれたら…)
1番栄口三振スリーアウトチェンジ。
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