おお振り ストロベリーヒーロー | ナノ



(オレは田島みたいな技術はない)
「トライック!」

(色気を出さずランナー進めることを考えよう)
2球目も花井は見送る。

おっ花井って意外と内弁慶じゃん…。
オレはチラッとモモカンを見たらモモカンがこっちに気付き苦笑いをした。それにつられてオレも苦笑い。

(来い!フォーク!)
叶の投げた球は花井の手前で落ちた。
(……あ…あたらねぇ〜〜〜)

[6番ショート巣山君]
「おおっ」

「フォークを待ってたスイングだったね」
「!」
「2―1からフォークって"読み"はわかるランナーいるとはいえここまで全部その配球だからね。で、フォーク待ってたのはなんで?」
「「「……っ」」」
モモカンの言葉にベンチが氷ついた。
「……うっ打てると思って…」
「ならいいのよ!」
「!」
「田島君のバッティングを見て"打てる"ってイメージを持てたんでしょ?ならフォークに絞っていいの!だけど今回は打てなかった。どうすれば打てるのか次の打席までに考えるんだよ!」
「はい!」

「それからみんなも聞いて!」
「はいっ」
「田島君も苺君も飛び抜けた野球センスを持っている。でもね彼等が持っていないものがあるの。なんだかわかる?」
「え」
「ええ?」
(アイツらが持ってないもの?)

「それはね…大きな体…よ!2人は体が小さい。あの体格ではどんなにセンスが良くてもホームランは打てないんだよ。HR打てないってことは彼等2人では点を取られないってことだよ。2人はホントに頼もしいバッターだけど彼等だけじゃ点は取れない。"点を取るにはあなたたちね力がいるの"!このことよーく覚えといてちょうだい!!」
「「「はい!!」」」
「さあチェンジ、チェンジ!」

「……」
(オレ今の打席ランナーを進めるためにはもっとかくじつな方法があった。フォーク打てそうだとおもったのはホントだけどわざわざフォークを待ったのは田島と張り合ったからだ。でも打てなかった!今のオレにはあのフォークは打てねェんだ!……オレの打順なら田島が塁上にいる場面がきっとまたある!今日は勝たなきゃいけないんだ!次はストレート狙う!!)

三星学園の攻撃4番からか…アイツまだ気が乗ってないみたいだな。

(叶はああ言うたけどスピードなさすぎやもんなァ……遅すぎてうちにくいんはあるな。そーゆうことかな?)

「ボールバックー!」


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