おお振り ストロベリーヒーロー | ナノ



『2番ファースト沖君』
沖は少し振り遅れ打球はサードへワンバンド。
「サードー」
「ファーストー」
「アウト」

「ツーアウトー!!」
『3番キャッチャー阿部君』
(ツーアウトランナーなしか、もしかして三橋が気にし過ぎてるかとも思ったけど…)
一球目阿部は見送る。
「トライク!」
(球速は120ってとこだな。1年の春でこれなら合格点だよな。)
阿部は叶を見る。
(クソッ雰囲気有るな…ストライク先行だし、サインに首振らないし)
「スッ、トライクツーッ!」
(一球遊んで……)
「ボオッ」
(2−1からさっそく来るか?)
((フォーク!!))
「トーライーック」
(決め球もある!まあ確かにいい投手だな……!でも次は打つ…!)
スリーアウトチェンジかでこの回得点・ランナー共になしねェ。なかなかやるけどキャッチャーのサインが単調だな。あえて言うなら基本に忠実悪く言うなら駆け引きが下手なヤツだな。三橋…あいつ…阿部の防具持ってくフリして…阿部の後ろに隠れてやんの…。オレがフォロー入れるか?

「あ、阿部君…はっはいっコレっ」
「おおサンキュ」
「足の、付けます……
「…………オイ、オレの後ろに隠れてもムダだぞ。マウンドには隠れる場所ないんだからな」
「……はいっ」
「よし、他全部やってやるからお前は一生懸命投げるんだぞ!」
阿部はグッと手に力を入れる。
そしてようやく三橋がマウンドへ走り出した。

阿部がフォローしてくれたかっとホッと胸を撫で下ろす。

(やっと出てきゃがった)
「三橋だ」
(三橋……)
(きっと、今、三星の…皆に、ニラま、れてるっでもっマウンド、に、隠れる…場所は…ないんだ、一生懸命っ投げる、よ阿部君!)


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