おお振り ストロベリーヒーロー | ナノ



グランドに入ると前からデカい奴がトンボを抱えながら歩いて来ている。
「こんにちは――」
「ちわす」
「ちわっ」
「ちわー…っ!!!」
織田!なんでこいつこんなとこにっ!
オレは織田に気付かれないように帽子を深く被った。
「自分ら女子おってええなァ」
「はっいやはは」
「知ってるヤツ?」
「知ってるヤツだったらフレンドリーに話しかけてこないだろ。」
「しっ知らないっ」
「関西弁だった」
(そーいやー惟世も関西弁だったよな?)
「アレ、うん?」
「三星って西から選手引っぱってくるような学校なのか!?」
「!!?」
「阿部…あんまデケェ声出すなよ。三橋ビビってっから…。」
「お、おう。」
(お、3人一緒に戻ってきた!)

「スポーツ推薦は、あるけど…そうだな、遠くからっ来てはくれな……「おかえりー」ただいまっ!」
「メンバー表見せて」
「どこ行ってたんだ?」
「んー作戦会議」
「……ん?そっそういえば、今年は、1人、スゴイの、入ると、か……聞いた、ような…」
「ふうん。知らないのどれだけいる?」
「ん、と、……4番と、6番と、7番8番……あっとは、みんな…元チームメイト……」
「4、6、7、8は知らなくて他は知人か」
「う、うん」
「…………」
阿部はメンバー表をじっと見ている。
「三橋――!」
マウンドから三橋を呼ぶ声がした。

(マウンドに、叶君!)
(((え!?フォーク!?)))
叶ってヤツがノックなのにフォークの握りを見せるように投げた。

「ナイスボール!」
ミットのいい音が鳴り響く。

「うわぁフォークだあ」
「……フォークだ」
「なんでノックでフォーク投げてんの?」
「見してくれたの?」
叶の投球を見て三橋が倒れそうになると阿部が三橋の肩をガシッと掴む。

「大丈夫!」
「あ、阿部君」
「だよな、惟世と田島!」
「ん?」
「お前なら今のフォーク打てるだろ!?」
「オレはどんな球でも打つよ!一試合やって打てなかった球かいもんね!」
「「「おおおーっ」」」
「やべー田島がカッコイー」
「オレは無理だな」
「「「はぁ!?」」」
「あれもっと落ちるよ。本気じゃねェな」
「なんで分かるんだ?」
「握り見せられた時に握りに余裕があった」
「「「………っ」」」
「えっなに!?」
凄すぎてなにも言えませんっと逆に皆引いていた。


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