おお振り ストロベリーヒーロー | ナノ



「エースだったんだろ!?チームで一番だったんだろ!?まわりくどい自慢すんなよ!」
「ちっがっ」
「ちがくねんだよ!一番うまいやつがエースをやるんだよ!」
と花井は怒鳴って三橋は萎縮してる。
「あっそこにいるとっ…ヒッヒイキで、エース、に、なっちゃう…カラ…」
三橋は泣きながら一生懸命話してる。
「いーなーエース!ヒイキでいいからエースやりてー」
「ヒイキだぁ?」
「どーゆーこと?」

「……うちの、ジィちゃんの……学校、ダカラ…」
と三橋は言った。皆は「ほぇ〜…」と感心していたが阿部だけは違った。
「経営者の孫だからってエースやらせんの?ヒッデェ監督だな」

「…カントクのせいじゃ、ないよ。自分から、降りたいって、部を辞めたっていいんだ、そう…しなきゃダメって、わ…わかってたのに、オレ、 マウンド、3年間ゆずらなかった!オレのせいで、みんな、野球を、楽しめなかった…です。オレのせいで負けて、オレのせいで、みんな野球、嫌いに、なっちゃっ…」
俺は感じたコイツは中学の思い出からこの性格になってしまったんだいや、元からだけどもっと厄介になった感じだな…。
「野球はチーム、個人技じゃない。負けたことを人のせいにするチームは所詮弱小チームがすることだ。」
「…(どっかで…聞いたこと、あるっ)」
「お前マジでウザイ!マウンドゆずりたくないなんて投手にとって長所だよ」
三橋はウザイという言葉にグサリとしたらしいが長所という言葉で立ち直った。
「……ちょう……「まぁヤナヤツなのは確かだけどさ投手としてはオレは好きだよ」
阿部の言葉を聞き三橋は投げる決心がつきようやくマウンドに立った。

俺はベンチで様子を見ることにした。他の奴等は外野で硬球を使ってキャッチボールをしていたが投球する頃にはマウンドの周りに集まっていた。

三橋は一球投げた。
花井が「おせ……」と呟いてる。
阿部は三橋にボールを返しまたミッドを構えそれが4、5球続いき阿部は三橋の元に駆け寄った。阿部の顔は何故かピカピカしていた。
「三橋!!球種は!!!」
「へ、と」
「変化球ナシかよ」
「あ!ある!」
「球種は!!!」
阿部はまだ目がギラッギラしている。
三橋は「多分」とか「つもり」とか言いながら指で球筋を表した。
変化球はカーブ・スライダー・シュートそして癖球のストレートの4つ…。

「多分とかつもりとか…あのさ投球指導受けたこととかある?」
と阿部は三橋に質問に対し三橋は首を横に振った。
「なるほどだから……」
阿部は少し思い詰めていた。
「よしサイン決めようそいで花井!」
いきなり阿部は変なことを言い始めて三橋ははひ?ってなっていた。
「なんだよ」
「打席立ってくんないか」
「イヤ、悪いけどオレ入る気ないし」
「4番だったんだろ3打席勝負しようよ」


続く




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