Love song of stars | ナノ


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「え、私?」
「うん、そう」
突然言われた美風君の依頼それは今日ある雑誌の撮影に一緒に付いてきてほしいとのこと。
「なんでまた私が…」
「社会見学になると思ってまだ生の仕事場に行くの一回しかないでしょ?いい勉強にもなるし。マスターコースに居るのに君はちゃんとした指導は受けていないレイジじゃ力不足だし色々見た方が雰囲気も味わえるでしょ僕のサポート役として任命するよ。段取りもわかるし」
確かに私はまだエキストラの仕事をしただけであれっきり皆の稽古に付き合ったり嶺二さんとの特訓ぐらいしかしていない。
美風君なりの私への配慮らしい意外と優しいところもあるんだなーっと感心してしまった。
にしても今日っていきなりすぎるでしょ…。

「で、行くの?行かないの?」
でも生の現場を見るチャンスなんて滅多にない私だってプロになりたい。
「い、行く!」
「OKじゃ早速行こう」
美風君が早々と歩き私は後ろからついて行きタクシーに乗る。

移動中緊張のあまり落ち着きが保てなくてソワソワしてしまった。
「何ソワソワしてるの…ちょっと落ち着きなよ子供じゃないんだから」
「なっ!べ、別に緊張してるわけじゃないしっ!ちょっと楽しみなだなんて思ってないんだからっ」
「君って本当自分で自滅するタイプだよね…」
「うっさい」
いつも通りの他愛のない会話をしていると撮影所に着いた。
さっきより緊張してきた気がする。

「きゃあああああああーいちゃぁぁんっ」
「可愛いいいいこっち向いてぇぇぇぇぇぇぇ」
タクシーを降りると美風君のファンの人らしき人だかりが出来ていてガードマンさんらしき人達が懸命に人だかりを押さえている。
美風君を見るとにっこりファンの人達に微笑んで叫び声が一層騒がしくなる。
てか…誰…?って言うくらいのとびきりスマイル。
ビルの中に入るといつもの無表情の美風君に戻った。
「え、なにさっきの笑顔」
「営業用だよ。ほら、早く行くよ」
早歩きでエレベーターに乗る。








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