Love song of stars | ナノ


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昼ご飯を食べ終わり再びレッスンルームへと戻り今度はオーボエをケースから取り出す。
少し古びたオーボエを愛おしそうに見つめて思いだすひいお祖父ちゃんちゃんの事私に唯一優しかった人だった。
"詩歌はすごいのう!こんな難しい音楽弾けるなんて天才じゃ!ワシのひ孫は天才じゃ自慢のひ孫じゃわい"と誇らしげに言ってくれたひいお祖父ちゃんが買ってくれた楽器私を音楽の世界へと導いてくれたひいお祖父ちゃんが大好きだった。

「おい、それってオーボエか?」
黒崎さんの声でハッと驚く。
「はい…」
(なんて顔で見つめてんだコイツ。そんなに大切なのか?その楽器)
「へぇ。てめぇがそんなムズイ楽器弾けるとは意外だな」
「黒崎さんは何しに来たんですか?練習する気なら端っこでやってください」
「てっめぇー!それが先輩に対する態度かよ」
黒崎さんを無視してオーボエを弾き始める。
繊細な高音と優しい音色を奏でるオーボエ世界一難しい木管楽器と言われている最初は私だってこんな音は出せなかったひいお祖父ちゃんを喜ばせたくて一所懸命に練習したし。


「なんだ…この繊細で心が暖まっちまうような感覚。音で音楽が好きだとハート伝わってくる」
黒崎さんはベースを取りだしてオーボエの音に重ねる。
ベースの低い音とオーボエの高い音が意外と合って弾いていて嫌な気がしない寧ろずっと弾いていたいくらいだしどんな音やリズムを奏でていても付いてくる黒崎さん面白い…。


「ぷはぁー!はぁはぁ久々だから息続かないや」
「そうか?オーボエ弾けるだけでも十分だぞ」
「…黒崎さん熱あるんじゃないんですか?」
黒崎さんの額に手を当てて熱があるのか確認する。
「ばかっ!なにやてんだてめぇ!」
「だって先輩が褒めるなんて…」
「あ?ケンカ売ってんのかてめぇ。俺だってよけりゃ褒めんだよ」
「なっ!うううれしいなんて思ってないですからっ」
黒崎さんが褒めてくれるなんて思わなくて思わず顔が赤くなり言い訳をする。
にしても正直嬉しいもんだプロに褒められるなんて。



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