Love song of stars | ナノ


▽ 


「美風君ッもう大丈夫だから離して!」
1時間ぐらい経つと彼女の呼吸、脈拍、動悸が収まるなんとか治ったみたいだ。
「ごめん…あんなこと言ってちゃんと冷静に考えれば君をこんな目にあわせずに済んだのに…」
「…美風君には信じて欲しかった…分かってくれると思ってた」
本当だよ僕も君の事理解しているつもりだったでも違ったさっきの発作と言い詩歌のこと全然知らなかった。
「でも…さっき美風君に抱き締められて少し安心した…ありがとう。私、実は暗所恐怖症だったんだよね」
"だった"って過去形?
「治ったってこと?」
「うん。昔とっくに克服したんだけど今日何故か発作が起きて…私言ってたでしょ?お母さんここから出してって。うちの家系って音楽で有名なんだ…ほら、前レコード嫌いって言ったでしょあれ母のレコードで母は教育熱心な人でよく失敗しては蔵に私を閉じ込めたのそれがトラウマで…」
淡々と話し始めた詩歌を見て僕は驚いた今までにない苦しそうな顔で話す彼女は弱々しくて今にも折れてしまいそうだった。
詩歌は僕と違って丈夫でもないし弱い…だから、だから…僕が守らなきゃいけないその責任感が僕の何かを変える。
「詩歌のこと少し知れて嬉しい話してくれてありがとう」
自然と笑みがこぼれると詩歌は心なしか顔が少し赤くなり元の笑顔を僕に向けてくれると胸のあたりがトクンっと不規則に跳ねた気がした。

「さぁ、行こう」
「えっと…戻るの?」
「当たり前僕だって仕事ほぽって来たんだから」
「あはは…すみません」
「ん」
詩歌に手を差し出すと戸惑っていたまさか意味解ってないのかな?

「手、握ってあげる。また迷子になったら困るし」
「はっもうなんないよ!」
いつもの詩歌に戻ってるよかった…。
「…僕が繋ぎたんだよ」
「っ!−っ」
詩歌は渋々と僕の手を取り離れない様に少し強めに握る。






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