Love song of stars | ナノ


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正直あのちいさいのが言ったことが胸に突き刺さる。
「藍君怒るのもわかるよ?皆真剣に仕事してるのにあんな浮かれた人が居られると気が散るよねぇ」
気安く僕の肩に手を置く。
確か…詩歌菓子なんか食べないしコンビニ弁当も嫌いだった筈…それにサイダーだって甘いと喉が乾きやすいから炭酸水しか飲まないって前に言ってた。
ああ、8bitだったのは僕自身だこんな簡単なことを見失っていたなんて…。

「藍君再開しょう?もう邪魔者も居なくなったことだしね」
「離してくれない?君でしょ詩歌に買って来いって言ったの」
「は?なわけないじゃんっ」
「知ってる?彼女まだデビューして無いけど歌手志望なんだよねサイダーなんか飲まない飲むとしても炭酸水だけなんだよ」
彼女の肩が微かに揺れるこれで確信がついた詩歌は頼まれてスタジオから出たんだ。


「すみません!ちょっと僕詩歌探してきます」
「ええ!?ちょっと美風君!」
カメラマンの声も聞かず僕もスタジオを飛び出す。
スタジオのマッピングは出来ているあとは詩歌が行きそうなところを…くそっなんでわからないんだ。
普段なら冷静にイレギュラーを対処しているはずなのに詩歌の事になると冷静に対処出来ない何でだろう僕は壊れてしまったの?
でも今はそんな事を考えるより早く詩歌を見つけなきゃこの際バッテリーなんて気にしてられない。

無我夢中で詩歌を探しても見つからない…もしかして外に出たとか?このまま僕が外に出るのはマズいだろう。
「おい、聞いたか!?第四倉庫で女の泣き声聞いた奴が居るとかって噂だぞ」
「マジ!?なんだよそれこえぇよ」
前を歩いてる2人組の男が噂話をしていた普段なら気にも留めない話だけど何故か気になるいや僕の感が言っているそれはきっと詩歌だ。
…泣かせるなんて僕は一体何をしているんだっ!
急いで第四倉庫へと走ると明かりが消されていて微かに聞こえる声。
ああ、やっぱり詩歌だったんだ。
ドアノブに手を伸ばすとぴたりと動きが止まる。

あれ…彼女をこんなに泣かせて僕は彼女に会う資格があるのかな?
「…だ…て…ッ…だし…てよ…ッかッ…ん…だしてよッ…お母さんッ」
"出してよお母さん"?なにそれなにか様子が変だ。
次第に鮮明になってくる声彼女は何かに恐れている今は資格とか考えてる場合じゃない詩歌を助けなきゃ!





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