Love song of stars | ナノ


▽ 


「はぁ…何やってるの?熱い物持ってるんだからボーっとしちゃだめでしょ」
「あ…美風君紅茶かかってるっ!」
「大丈夫だよこれくらい…君は?火傷してない?」
「よくなーい!!アイドルなんだから傷でも残ったらどうすんの!」
私は慌てて美風君の腕を引っ張りシャワーの水を美風君に掛ける。

「あのさ…やること大胆過ぎなんでシャワーごと僕に掛けるかな?しかも服着たまませめて上脱がせてよ」
「わっごめんっ」
シャワーの水を止めてずぶ濡れになった美風君は服を脱いでタオルを取る。
思わずドキッとしてしまい後ろを向く。

「どうしたの後ろなんか向いて」
「だって!美風君がっ」
「ふぅん。なにもしかしてカッコイイとか思ったりしてるの?」
ニヤリと笑い私をからかう。
「ッ…そーだよ。カッコイイ…ってう、嘘だよ!」
本音が出てしまってハッとして直ぐに訂正した。

「へー…かっこいいね」
次第に近くなる美風君の顔手で美風君の顔を押さえる。
「ち、近いっはーなーれーてー!」
「なんで?あのおチビは良くて僕は駄目なの?」
「か、からかわないでっ」
涙目になりながら美風君に訴える。

「…じょーだん、じょーだん」
「ふぇ?」
美風君は私から離れて火傷は大丈夫と言うと頭をタオルで拭きシャワールームから出る。
安心して腰が抜けたかのように床へと座り込む。
可愛い顔してあんな男っぽい顔するなんて…ビックリだ。
と言うか人をからかうとか…どんだけ性悪なんだよ美風藍!
…でもあの美風君が人をからかうなんて意外かも普段大人っぽい彼が…ちょっと嬉しいかもなんか仲良くなれた気がしたみたいで…。

暫くしてシャワールームから出ると美風君は帰り支度をしていた。
「何してたの?帰るよ」
「あ…うんっ」
美風君の後ろに付いて行きスタジオを後にする。

「ねぇまた…来てもいいかな?」
「いいよ。特別に君だけ僕が居なくても入れてあげる」
美風君は私に手を差し出す。
「?」
「ん。早く手出してくれない?」
慌てて美風君が差し出してきた手の下に自分の手を出すと鍵が出てきた。
「えーっと…」
「言ったでしょ君は特別」
特別…なんかこそばゆい言葉だ。
緩む口元を手で押さえてお礼を言うと美風君はケンカ売ってんのと言われてほんの少しも良い奴だと思ったのにやっぱりムカつく奴だ。








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