Love song of stars | ナノ


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僕の服の裾を掴み詩歌の体が震えてるのが伝わる。
少し興味深いけど今の彼女には聞けないだろう。
「あ…ありがとう…」
ポツリと小さな声で僕にしか聞こえない様に詩歌は言った.

「はぁ…って泣いてるの!?」
詩歌はボロボロと涙を流し僕は戸惑う。
どんだけさっきの奴の事嫌いなんだろう?なにかあったかのようにしか見えない。
「ご、ごめんッ」
詩歌は泣きながら謝る。
こいう時ってどうすればいいんだろうかデータを検索してみる。
優しく抱きしめる?キスする?あと…黙って泣きやむのを待つ?どのデータも理解不能だ。
とりあえず黙って泣きやむをアップデートしょう。

近くにある自分のスタジオに足を運び詩歌を招き入れる。
あんなところで泣かれたら僕が泣かしたみたいで良い気がしない。
詩歌はコーヒーより紅茶派というデータだし紅茶を入れてあげて彼女に渡す。

「ん」
「…どうも」
少し落ち着いたみたいでゆっくりと紅茶を口に運ぶ。
「泣きやんだ?」
詩歌の顔を覗き込み彼女を見る。
「うん…なんか何から何までごめん…」
謝るなんてらしくないいつもなら" べ、別に泣いてたわけじゃないんだからっ!"って言うのに何かが変だ。

「ま、別に僕には関係ないんだけど…吐きだした方が楽になるんじゃない?」
…らしくないのは僕自身かもいつもならスタジオなんかにあまり人入れないしこうやって慰めたりもしない。
きっと詩歌の興味深いデータが知りたいんだろう。
「前はあんなんじゃ無かった…でも先に裏切ったのはアイツの方だった…信用してたのにッ」
悲しそうな顔をする詩歌。
そうか彼女が人をあまり信用していなかったのも人との距離を取っていたのはさっきの奴のせいなんだ。
僕は黙って詩歌の話を聞く。
少し離したら楽になったのか安心して泣き疲れて寝てしまった。

なんだろう?この込み上げてくるものは…んーっと愛おしい?なにそれ僕が詩歌をなんで…?
制服のスカートから白い足が見えて今にも下着が見えそうで視線を逸らす。
なんでこんなに無防備なの!?
…でも彼女の話を聞く限りあまり良い思いで学校に行ってたわけじゃないみたいだから普段学校には行かなかったことが頷ける。
僕にこんなに無防備にしているってことは僕の事…信頼…してる…?
胸の辺りがジーンと熱くなる考え過ぎてオーバーヒートでもなったのかと思い慌てて冷却シートを顔に貼る。
「そうだ。まだデータ整理あるし仕事しょう」
詩歌に毛布を掛けパソコンに向かう。








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