Love song of stars | ナノ


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教科書をペラペラと捲って眺めてると外から黄色い声が煩くなる。
「きゃー!!キューティーナギ様よぉ!」
外から聞こえてクラスの女子が窓から身を乗り出して外を見る。
「チッ」
私はその名前を聞いて舌打ちする。
私が嫌いな奴帝ナギ…。

「皆ぁおはよー!宇宙一キュートなアイドル帝ナギだよ☆」
耳障りな声が外から聞こえると皆がコールを始める。
あーうぜぇ…。
耳にイヤホンをして聞こえない様にする。
「よし、お前たちテストを始める。机の中の物を鞄に入れてロッカーに入れろ」
先生が来て皆が慌ただしく席に着き指示に従う。
テスト用紙が配られてテストが始まりシャーペンの音だけが教室に響く。
この学校は終わった順に手を挙げて次の科目のテストが配られる仕組みになっていて円滑にテストが進められるようになっておりカンニング防止のため一人一人違う問題のテストが配られる全部受けたら即刻終了で帰っていい。

30分かけて私はテストを終わらせて手を挙げて席を立ちロッカーにある荷物を持って教室を出る。
教室を出て欠伸をして体を伸ばし校門へと足を向ける。


「あれぇ?詩歌先輩来てたんですか?」
ニヤニヤと私に話しかける奴が居た。
「チッ」
舌打ちをして私は無視して帰ろうとする。
「無視なんて相変わらず酷いなぁー先輩。僕泣いちゃうよ」
しつこく話しかけてきても無視を決め込んでると腕を掴まれた。

「まだ音楽なんかやってるの?才能ない癖に先輩皆の前で恥かくだけなんだからさぁいい加減諦めたら?愛音家で落ちこぼれって言われてるんでしょー?滑稽だよ」
ナギの言葉に冷や汗が出てきて体が震える。
「あ…っ…」
何も言えず俯きこんな奴の前で泣きたくないのに涙が出そうになるだから嫌いなんだこんな無神経な奴。
ムカつく…ムカつくっ!こんな奴に私の気持なんか解らないくせに…。
私は掴まれてる腕を振り払おうとしたのにビクともしないナギは私を自分に引き寄せる。

「フフ、せんぱーい可愛い。ねぇ僕の物になってよ。そしたらこんな学園生活取り消してあげるよ」
ゾクっと背筋が凍るましては嫌いな奴に抱き締められてる形になんて嫌だ。
次第に帝の顔が私に近づいてくる。
「詩歌いつまで待たせる気?」
私を呼ぶ声に帝が動きを止める。

「み、美風君ッ!?」
「なにそいつ彼氏?」
「ち、違う!こんな奴となんかあり得ないし」
美風君はふぅんと言うと帝を睨みつける。

「だって。君彼女嫌がってるから離して?」
「嫌だね。なんで僕が君の言うこと聞かなきゃいけないのさ」
べーっと舌を出し美風君に挑発をすると2人の間で火花が散る。

「いい加減離してよウザい」
帝の手を振り払い美風君の後ろに隠れる。
「ウザいだっておチビちゃん」
美風君は帝を見下おろし下げずんでるかの様に笑い私の腕を掴み学校を出る。

「おチビちゃん!?ムカァー!!!!なんなのアイツ!…はぁ、先輩の…彼氏…?余計ムカつくっ」
帝は2人が居なくなって独りでに呟き詩歌を掴んだ手を口づける。

「僕は…馬鹿だ…」



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