▽
「はぁ…」
やっぱり私じゃあ役不足だったか…。
結局なーんにも役に立てなかったや…。
「しぃちゃんお疲れみたいですね」
「なっちゃん…」
「紅茶を入れてきました。疲れている時はこれが一番ですよ」
「ありがとうございます」
なっちゃんから紅茶を受け取り一口飲むとレモンの甘酸っぱさが口に広がりなんだか疲れが取れたような気がする。
なっちゃんは優しいなぁ気が利くしそれにほわわんとしてて一緒に居ると癒される。
「初めての演技には見えないくらい演技がお上手でしたよ!」
「嶺二さんに色々鍛えてもらいましたしね」
「フフ、僕努力に惜しまない人大ー好きです」
大好きと面と向かって言われるのって結構はずかしいな。
「大丈夫です。まさ君ならしぃちゃんとの稽古は無駄ではありません」
ニッコリと私に笑いかけてくれるなっちゃん
なんだか心が見透かされているみたい。
「ありがとうなっちゃん」
「可愛いですぅー!もうぎゅーッてしちゃいますぅ」
なっちゃんにいきなり抱きつかれる。
しかもかなり力が半端じゃないくらい強い。
「ひゃぁっ!?」
首筋になにか感触がした。
「しぃちゃん甘ーい匂いがしますぅお菓子みたいで食べたくなっちゃいました」
「ひゃんッッちょっとなっちゃんッ!」
なっちゃんは構わず私の首を舐める。
だ、誰かっ助けを!
「わあああっ!タンマ、タンマ!ストーップ!」
暴れていると美風君が丁度視界に入る。
「み、美風君っ助けて!」
「!…那月離れなよ」
大きいなっちゃんを軽々と首を掴み私から退ける。
「藍ちゃんどうしました?」
「どうしましたじゃないでしょ一体何してるの」
呆れながら美風君はなっちゃんを説教する。
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