Love song of stars | ナノ


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「はぁ…なんで私がこんな目に」
着物に着替えさせられて私が娘役をすることになり大きなため息を漏らす。
着替え終わってレッスンルームに入る。

「お待たせって!な、なんですかっ!」
皆が私を凝視するしかも無言だ似合ってないなんて解っている結構恥ずかしいんだぞ!
「子猫ちゃん…綺麗だ」
「ファッ!?」
神宮寺さんの意外な一言に思わず変な声が出て顔が真っ赤になる。
「うん、うん!似合ってるよ。これなら相手に取って不足じゃないね早速始めよう」
音也さんに背中を押されて聖川さんの前へと連れてかれる。

あれ・聖川さん顔赤い…?
「よ、よかろう早速始めようではないかっ」
「はい」
スタンバイにつき私は一ノ瀬さんの見よう見真似で同じポーズをする。
えっと…確かこうだった…ような?

「ず、ずっと…おっ慕えもうしていましたッ」
恥ずかしがりながら言うとどもってしまう聖川さんを見上げると視線が自然と上目になっちゃった。
「ッッ!!!?」
さっきより真っ赤になる聖川さん具合悪いのかな?
「まさぁどうしたの?早くセリフセリフ」
「ああっ!…よせ俺などッお前の思いに答えられる男では無い…」
「されど!どうして貴方様なのでしょうかッ…危難に赴く思いをなされるなんてッ」
次抱擁シーンだよね…恥ずかしい…。
聖川さんは私の肩を掴むと躊躇い抱き締めるのを止める。

「え…あっ私役不足でした?」
「そっそんなことはない!ただ年頃の女性を抱擁するなど…」
んー…よく緊張した時って人をジャガイモだと思えって言うよねそれならイケるかな?
「あの、私をジャガイモだと思ってやってください!」
自信を持って胸を叩き言うと皆は"は?"って顔をしていた。

「いやしかしっ」
「私も役に立ちたいんです何でもいい少しでも皆さんの手伝いが出来るなら…それに今、私はすっごく楽しいです!」
聖川さんに微笑むと驚いた顔をして次第に聖川さんも顔がゆるむ。
「っ!愛音…わかった。愛音の心意気決して無駄にはせぬぞ」
聖川さんが真剣な目つきでまた一から演技を再開して何度も稽古をした。



結局聖川さんは私を抱擁することはできずオーディションは翌日に控えていた。



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