Love song of stars | ナノ


▽ 


「み、美風…君…!」
ヤバい見られた恥ずかしい!
「あれ…ここ女湯だよ?美風君こそなんでここに…っ!」
自分も裸だということに気付き慌てて風呂の中に隠れる。
「いや、男湯いっぱいだったしいつもここで入ってた。そうかこれからはここに入れないんだ」
恥ずかしがるとこともないくしれっと今の状況を冷静に判断してる。
「いや!恥ずかしがれよ!てか普通に体洗うな!出でけェ!!」
「うるさい…風呂場響くんだから大声出さないでくれる?」
何コイツなんで私睨まれてる?
凄い速さで頭と体を洗い風呂に入るしかも私の隣ヤバい恥ずかしくてのぼせそう…先にでようでも出るときコイツに見られるよね…あー!もういいや。
思い切り立ち上がり風呂を出で様としたところを美風君に腕を掴まれる。
「どこに行くの?」
「のぼせるから出るの!」
「ふーん。じゃあ僕も出ようかな」
と立ち上がり思い切り目を瞑る。

「どうしたの?」
「え…あ…いや…ナンデモナイデス」
目を開けると美風君はちゃんと腰にタオルを巻いてた。
「…もしかして僕の全裸期待してた?」
色っぽく笑う美風君に思わず鼓動が早まる同い年だけど色気が半端ない。
「ばっっか!び、ビックリしただけだし!早く離して!」
腕を振り落とし先に脱衣場に行く

「…人間ってめんどくさいね。折角博士に風呂が入れるように防水加工してもらったのに…でも女の裸ってあんなに綺麗なんだ不思議」
それにいつもより詩歌が色っぽく見えた気がする…興味深いデータが出来た。

彼女は先に風呂を出て行ったので着替え終わったのを見計らって僕も風呂を出る。
着替え終わると彼女が入口の前で立っていた。
「待っててくれたの?」
「違う!春さんが来たらあんたマズイでしょでから見張ってたの!」
「ふーん。僕は別に気にしないけど」
「春さんが気にするっつーの!」
「あっそじゃあね」
「ちょっと待った!」
部屋に戻ろうとすると俺の服の裾を掴み戻るのを阻止する。

「何」
「あっあっあっ…のさ…」
「落ち着いて喋れは?」
「ここの事務所って恋愛禁止なんでしょ?」
「そうだけどそれが何?」
「恋愛は禁止だけど人を好きでいるのは良いんだよね?」
「…いんじゃない?」
と言うと彼女の顔が明るくなって嬉しそうな表情をする。「美風君は恋してるの?」
「僕は恋なんかしない」
というか出来ないロボットの僕なんかに感情がないから恋なんて出来るわけない。
「そっかでも生きてる中でしないなんて言いきれないきっと美風君にも素敵な恋ができるよ」
ノーテンキな奴…でも不思議と興味がそそられるもっと君を知りたい。
「詩歌は恋してるんだ」
「はあ!?…してる…かも」
珍しく素直…しかもしおらしくなった恋の力ってすごい…。
「へーどんな人?」
「昔から知ってる人で私に歌を歌う楽しさを教えてくれたの。優しくてどんな時も一生懸命で久々に会ったら男らしくなっててビックリしちゃったよ。胸が苦しいんだまさか同じ所に住めるようになったり」
「…翔」
と名前を出すと詩歌は更に顔が赤くなる。
「なっ内緒だよ…」
「うん」
なんで赤くなったんだろう?
僕は不思議そうに彼女の顔を覗き込み顔に手を当てる。

「なっ!なに!?」
「脈拍が速い体温は全身が熱いってわけじゃないし熱じゃなさそうだね。なんで?」
「んー…好きな人の事を思うとこうなるんだよ。美風君もそのうちわかるんじゃない?」
わかる…?僕もこうなるのかな?ちょっと興味深いデータが出来た。





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