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俺は本当にこの場にいていいのか、俺は何故ここに来てしまったのかと、最近本気で悩んでいる。

部活を終えた俺たちは、真っ先にクーラーの効いた部室へと入った。
部室にはソファに大の字になって座っているマネージャーが俺たちよりも先にくつろいでいた。何やコイツ…若干の殺意を抱きつつ他の部員にならって俺も着替え始める。

「何で俺らより先にお前が休んどんねや!」
「ちょっと紫外線にやられすぎまして…」
「お前ほとんど部室で作業しとったやないか!」
「ま、窓越しに…太陽さんがね…」

ユウジ先輩と謙也先輩がまっさきにマネージャーにツッコミを入れている。部員のほとんどが着替えを終えて部室から出て行き始めた頃に、一足遅く部長が部室へ入ってきた。部室に残っているのは俺を含めたレギュラーくらいだった。あれ、金太郎がおらへん…まあええわ。他の部員と一緒にどっか行ったんやろ。

「はー、今日はめっちゃ暑いなー」

ドリンクの入ったボトルをテーブルに置いた部長は、そのままソファに大の字になっているマネージャーの上へと腰掛けた。マネージャーが、「ぎゃふっ!」と色気も何もないカエルがつぶされたような声(悲鳴?)をあげた。

「ちょ、蔵おもいー」
「俺の重さはお前への愛やー我慢してやー」
「なにそれ!ぶはっ」
「何もおもろないやろ、むしろ寒いっちゅー話や!」

謙也さんが顔を赤く染めながら部長とマネージャーのバカ二人にくってかかる。その付近には部長たちの真似ごとなのか素なのか、ホモ1が椅子に座りその上にホモ2が腰掛けながらポッキーゲームをし始めていた。俺としては部長のキッショイ台詞よりもこっちんが寒いと思う。

「ちょー、腹筋触らんといてー」
「いいじゃんねー、私実は腹筋フェチなんだよ」
「お前らそこでイチャつくなや!」
「ユウジたちやってイチャついてるやん」
「あれはええねん!」
「なんでやねん」

腰掛ける部長の腹筋に手を這わせているのは紛れもなく我がテニス部のマネージャーでなんとなく悲しくなった。小春先輩2号や…。変態は二人もいらんっちゅーねん。
部誌を書きおえた部長は、マネージャーから離れて着替えを始める。部誌なんて着替えてからでもええんとちゃう?なんて小さな疑問を心の中で投げかけながら、止まっていた手を動かす。マネージャーがこっちを食い入るように見つめていて鳥肌が立った。先輩の目は確実に俺の腹筋に向いていた。

「名前ちゃんも食べる?」
「食べるー!それ新しいやつでしょ?」
「そうそう、期間限定のやでぇ」
「女子は何で期間限定のもんがそない好きなん?」
「なんか特別っぽいじゃん!女の子はみんな特別扱いされたいものなのよー」

意味分からんわ! 謙也さんのツッコミと俺の心の声が重なった。何やねん特別扱いされたいものーって!理由になっとらんわ、寒いわ!

着替え終わった部長がソファに座る。その上からマネージャーが座って、さっきとは逆な形になりながらイチャつき始めた。熱いわー羨ましいわーなんてホモップルが騒ぎ出した。

「ちょっ、蔵おっぱい触んな!」
「俺最近気付いてんけどなー、実は胸フェチやってん、お前限定でやけど」
「お前らもうこっから出てけ!」
「んんーっ絶頂!」



…俺、この部でやってけるやろか…