黒曜石 | ナノ
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昨日の夜、おなまえちゃんが黒崎君達と歩いているのを見た。送ってもらってたんだ。他にも小島君達が居たけど、あの二人だけ違ってた。何が違うのか解らないけど、そんな感じが確かにあった。十時近くまでおなまえちゃん何してたんだろう。ずっと一緒だったの?

度々、おなまえちゃんが夜遅くに帰ってくることがある。何してるのかまでは知らないけど、多分今回はたまたま何処かで会って、送ってもらっただけなんだろうけど‥なんか、やりきれないなぁ。モヤモヤする。二人の関係って何?
黒崎君とおなまえちゃんが話すようになったのはこの前の席替えの日から。私の方が仲良かったし、話す方だと思ってたの、に。

「やだ、あたし…何を考えてるんだろ」

“おなまえ”

黒崎君がおなまえちゃんを呼ぶ声があたしの頭の中で木霊する。あの日、あの場に居たのはあたしとおなまえちゃん。黒崎君は去り際に迷わずおなまえちゃんを名前で呼んだ。決めてたみたいに。私の方が付き合いも長かったのに、黒崎君はおなまえちゃんを選んだ。

「あたし、おなまえちゃんに…」

嫉妬してるの?悔しいなんて、あたし…どうして思ってるの?おなまえちゃんが羨ましい、狡いっておかしいよ。黒崎君が好きだからとかどうしておなまえちゃんがとかそんな事を考えてたら寝れなくて、気付いたらいつも迎えに行くおなまえちゃんに声も掛けずに学校に着てた。


会えない会いたくない
静な教室に一人