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あー、今日も空が青いよー、昨日よりも青いよー、雲の流れも昨日より速いよー。 お昼をそそくさと片付けて、いくつか雑誌を足元に広げる。隣からは浅野君たちの楽しそうな声が聞こえてくる。私も仲間に入れてほしいなあと頭の隅っこで考えながら、今は我慢しなければと自分に言い聞かせた。 「もうすぐ夏休みだなー」 「夏といえばぁぁぁぁ! ドンドンドンドンドーン! 祭りでしょう! やっぱ!」 「そういえばもうすぐ小野瀬川で花火大会あるねー」 「出店にー、花火にー、浴衣だろー!」 「いいよなー、お前いつも夢あって」 「なんだよ一護その目はァァァ! 疎外感ひしひし伝わってくる!」 「ケイゴって別次元の人だからさぁ」 「水色まで! お前ならわかるだろ! 出店に! 花火に! 浴衣っ!」 「まあわかるけど…そこまで熱くなれないかな」 夏休みかー。シフト増やそうかなぁ、それともやっぱり新しいとこ行ってみるか? 自給良くてー、接客…は少ない方がいいな。夜も今より遅くまで行けそうだなー。夜はコンビニかな? 家から近くにコンビニあったっけかなぁ。あ、った、な。あそこ夜お客さん多いかな。……昼はー、いいとこないかなあ。求人誌とひたすら睨めっこを続ける。もうすぐ夏休みですからね! 準備しとかないと。 井上 おなまえ! 好きな言葉:値引き、割引、自給アップ 嫌いな言葉:値上がり、自給ダウン、請求書 趣味:金稼ぎ!! この夏…私、稼ぎます! 働くぜおういぇー! 「おういぇー!!」 「なんだ?!」 「おおおおお! おなまえちゃんんん! あなたなら分かってくださると思ってました…!」 ガッツポーズで立ち上がると、浅野君がキラキラした目でこちらを見ていた。その周りの人たちは吃驚してるけど。 「だよね! 俺間違ってないよね! おういぇー!」 「、?…何だかよくわからないけど、おういぇー!」 「…………」 「つーかお前さっきから何見て…」 足元に広げていた雑誌の一つを黒崎君が拾う。あ、やべ、また文句言われたらどうしよー。でもね、でもね、夏休みだよ? 働くじゃん。バイト以外になにしろっていうの? 金稼ぐだろ長期休日万歳! 「まーたバイトかよ」 「稼ぎます!」 「…そうかよ、」 「頑張るねー」 「ちょ、ちょっと待ってねおなまえサン」 「? 何ですか浅野君」 「再来週の土曜日は開けとくよね?」 「え?!」 さ、再来週の……土曜日! 土曜日っていったらもちろん朝から晩までバイトを入れておくつもりですが…。 「一緒にお祭り行こうって言ったじゃーんんんん!」 「え、再来週なんですか?」 「お前話きいてなかっただろ」 「う、うん…お祭り、行くの?」 「今みんなでそれを話してたとこなんだって! 行くよね?」 「行っていいの、みんなと一緒に?」 「いいんだよー! むしろおなまえちゃんいなきゃだめでしょ、一護が浴衣きても全然喜べない!」 「何で俺だよ」 「私浴衣持ってないよ?」 「石田がミシン化してるから大丈夫だって!」 「あいつがやりたいって言ってるんなら構わねえけどよー、あいつセンスわりーぞー」 「たこ焼きって、売ってる?」 「売ってる売ってる」 「い、行く!」 「たこ焼きかよ」 「私祭りって行ったことない!」 「…マジすか」 「人ごみ苦手!」 「あ、おなまえさんバイトここなんておすすめだよー」 「どれですか?」 「ここ、結構近いしいいんじゃない?」 「あ、ほんとだ…」 「………」 「祭りか、楽しみだな!」 「お前までなんで雑誌見てんだよ。しかもなんか印付けてるし…」 「うむ、私もおなまえの手伝いをと思ってな!」 「……(なんか疎外感!)」 「それより、私は浴衣どうしたら…」 「死覇装でいーんじゃねーの?」 「フンッ!」 「いでえ!!」 「どうしたの一護!?」 「な、なんでもねえ…」 浴衣かぁ(あ、ケイゴ化してる気がする) 待ち遠しくなる |