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ほくほく。にまにま。卵も牛乳もパンも安く手にいれて顔が緩みっぱなしです隊長! 今夜はシチューしかないだろこれ! シチュー作れと言ってるもんだろこれ! ほくほく温かい気持ちで足を進める私に、黙々を足を動かす黒崎君。彼が歩くたびに両手に持つスーパーの袋がガサガサと揺れた。 「やっぱ片方持つよ」 「いや、大丈夫だし」 「でもさ、重いでしょ」 「お前の体重より軽いっつーの」 「なっ‥‥!」 むっとした顔で黒崎君を睨む。荷物を持ってもらってる手前強気に出れないし、事実だから否定はしないけど、女の子に対して失礼じゃないのか今のは。「何赤くなってんだよ」と笑われましたが。むきー! 加藤君、加藤君はどこですか! 彼なら私に重いだなんて失礼なことは言わない!(猫語がわからないから) 公園の前を通り過ぎるとブランコの上で寝ている加藤君を発見。「加藤くーん!」 呼ぶと、嬉しそうにかけてくる。はあああ可愛い。 「可愛いですよね、加藤君!」 「はあ? どこがだよ」 「黒崎君より可愛いです!」 「言うじゃねえか」 バチッと私と黒崎君の間に火花が散る。睨み合ってるうちにだんだん可笑しくなってきて、二人して吹き出すように笑った。 「あ、そうだ、黒崎君さえよかったらうちでご飯食べて行きませんか?」 「え、いいのかよ」 「うん。遊子ちゃんの手料理には勝てないけど、」 「いや、おなまえが構わないならお邪魔させてもらうけど」 そこまで言って、黒崎君の視線が足元にいる加藤君に移動する。加藤君も加藤君で黒崎君を見上げる。加藤君はまた威嚇し始めるし黒崎君も露骨にいやな顔するし‥‥この二人って仲悪い、のかなあ。何かを訴えるようににゃあにゃあ私に向かって鳴く加藤君にどうしたものかと溜息が出た。 コイツのせいで減るなんて嫌なんだけど 二人の時間が! |