黒曜石 | ナノ
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「でね、両成敗がごめんなさいで、両成敗なんです!」
「‥‥はあ」
「ごめんなさいはだめなんだって」
「‥‥へえ」
「それからお互い様でね、姫ちゃんが味噌汁飲んじゃったんです!」
「‥‥うん」

学校に着くと、珍しく5人とも(黒崎君、朽木さん、小島君、浅野君にチャド君)そろっていたので、一箇所に集めて今朝あった出来事を興奮しながら早口に説明する。私が満足して一息吐く頃には、みんなの頭上にいくつものハテナマークが浮かんでいた。

「なあ、水色」
「なあに」
「お前今のわかった?」
「微妙‥かな」
「一護は?」
「さっぱりだ」
「おなまえちゃんの伝えたいことが何一つ理解出来ない‥‥っ!」
「まあそういうキャラだし、元から」
「そうだっけ?」

小島君のフォローに、口元を引きつらせた黒崎君が呟いた。というかみんな私が言いたいことをわかってないみたいだ。ちょっと興奮しすぎたかな。

「チャド、お前はわかったか?」
「‥‥‥ム」
「お前が言いたいこともわかんねえな」
「‥‥‥‥」

なんでみんなわかってくれないんだ、この感動を!虚無感をひしひしと感じてると、ふいにキラキラ光るものが漂ってきた。なんか見えるぞこれ幻? とキラキラの根源を辿ると、どうやら発信源は朽木さんの目からだったらしい。すごく目が、輝いてる。

「朽木さん?」
「偉いぞおなまえ!」

「へ?」

ガシっと、両手を包まれる。あれ、この朽木さん本性の方じゃない? 私をチビ呼ばわりする朽木さんの方じゃない? みんなの前なのにいいのかしら。

「けんかは両成敗で、お互いに悪いから謝る必要はなく。その上、井上にお前の味噌汁を飲まれたのだな!」
「う、うん! そう! そうなの!」

朽木さんがわかってくれたことにすごく感動。改めて手を握りなおす。以心伝心だよこれ! すごく嬉しい!

「なあ、おなまえちゃんと朽木さんがすごい輝いてるんですケド」
「完璧に二人の世界入ってるね」
「何で、わかったんんだ? アイツ‥‥」
「そりゃあ、なあ」
「そうだよ。一護も野暮なこと言うね」
「は? どーゆーことだよ」

二人がにやにやしながら、声を揃えて言う。勝ち誇ったような二人の顔が妙に勘に障った。


チャドが隣で納得したように手を叩いた
女の子だから!