黒曜石 | ナノ
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2人が教室に向かったのを確認してから、あたしは深く息を吐いた。
何で、さっきおなまえちゃんが飛び出していったとき“どうしたんだろう”なんて考えちゃったんだろう。誰だって、あたしだって、“アンタ居たの”なんて言われたら傷付くよね。あたしだったら悲しい。おなまえちゃんが平気なわけないのに。たつきちゃんの言い方もアレだけど、悪気があったわけじゃないんだ。たつきちゃんも、皆悪くないはずだけど…。でも、あたしは悪いよね。

「反省しろぉー!! あたしのバカバカバカっ!」

余計なお世話かもしれないけど、たつきちゃんの事、あたしから謝っておこう。それで、悪気はないんだって伝えて、もう一度謝ろう。もし許してくれなくても、あたしの懺悔だけでも聞いてもらいたい。あたし、おなまえちゃんに甘えてばっかだ。おなまえちゃんが優しいの知ってるから、きっと許してくれるって…また甘えてる。苦しくなるのはおなまえちゃんなのも分かってるのに、ずるいよ。おなまえちゃんが進もうとしてるなら、あたしも進まなきゃいけない。


もっと頼ってほしい
ずるくてごめん