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・・・・・ 32・・ 「羨ましいってこと? なんで?」と、朝一で仁王君に問いただしたところ彼はあっけからんと「言ったじゃろ、お前さんのそういうとこ好きじゃって…尊敬の意を込めたナリ」とやれやれといった感じに口にした。なんっちゅうわかりづらい表現をしてくれたんだ! ていうか結局よくわからないし! はぐらかされてるし! こちとら一日中悩んだし、精市君には手首噛まれたんだよ! いや噛まれたのは仁王くんのせいじゃないけどさぁ! 「でも憧憬のキスなんてよく知ってるね。仁王君て意外とロマンチスト?」 「プリッ。男はみんなロマンチストぜよ」 「なに、お前仁王にキスされたわけ?」 「うわああああっ!」 ポッキーを両手にいっぱい握った丸井君が、椅子を足で引きながら「そういう関係だったの?」とたずねてきた。もちろん違う。座った丸井君がおかしそうに笑う。 「朝から元気な、みょうじって」 「丸井君、だ!」 「丸井君でーす」 「今日は早いのぉ」 「いや、いつも遅いのお前だろぃ」 「そういえば最近仁王君朝早いよね」 「この前まで着替えんのすっげ遅かったくせに」 「早くみょうじに会いたくて」 「仁王君と話すのたまに疲れるよ」 「みょうじさんは今日もつれんのー」 「お前はいつもつられてばっかだけどな」 「俺のイメージが悪なるからやめて」 「…元々悪くね?」 「俺ちょっと優しい友達を探してくるナリ」 「すねてんじゃねーし、キモイ」 「丸井君は今日も冷たいぜよ」 「あ、そういやみょうじおはよ」 「おはよー」 「俺には」 「さっさと新しい友達探してくれば?」 「…ひどい…」 「なんか私、最近ね仁王君の軽口に慣れてきた」 「おっ、仁王言われてんぞ。手の内晒しすぎたんじゃね?」 「誤算ナリ」 「君たちは私を甘く見すぎです」 「甘く見せてんのそっちだろぃ」 「あー、戦略ってことで」 「そんな腹黒キャラだったっけ、お前って?」 「幸村と宮城に汚染され過ぎじゃ」 (路線変更な朝の会話) 普段通り |