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・・・・・ 25・・ 「なんかさ、最近お前ら一緒にい過ぎじゃね?」 「は?」 「別に普通だと思うけど…」 「付き合ってんの?」 ずずー、と多少お行儀悪く音を立てながらコーヒー牛乳をすすった丸井くんが 「で、どうなの?」 と再度尋ねてきた。3人でお昼を食べている時だった。唐突だった。私は箸をくわえてて、仁王くんは二つに分けたアンパンのあんこを指ですくっている時だった。2人して何?という顔で丸井くんを見つめると、「見つめんなし」と言われた。丸井くんはガムが切れたとかでちょっと不機嫌だった。とりあえず黙ってイチゴ味のガムを差し出しておいた。彼は迷うことなく出されたガムを受け取って、足元に置かれたコーヒー牛乳の上に乗せた。丸井くんは焼きそばパンを食べている。 「や、ふつーに友達じゃけど」 「じゃけじゃけ」 「なんじゃそれ」 「仁王語なまえバーション」 「却下じゃな」 「ええー」 「やっぱ付き合ってんの?」 「じゃから友達やって」 「うん。それに一緒にい過ぎって、丸井くんもいつも一緒にいるじゃん」 イチゴ牛乳をすする。隣でうんうんと仁王くんが頷いていた。納得してなさそうな顔で丸井くんが言葉を濁しながら食べかけだった焼きそばパンを口に放り込む。もごもごと口を動かしながら、私があげたイチゴ味のガムを手に取った。丸井くんの行動を観察しながら私のこれまでの数日間を振り返ってみた。――― 私が仁王くんと二人でいたのは先日の買い物の時だけで、そのほかは大体丸井くんと3人だったりジャッカルくんや宮城さんが加わったりしてる。ていうか私圧倒的に宮城さんといることの方が多いんだけど。いかんせん彼女はあまり学校に来ない。来てもお昼の後勝手に早退しかたりとつまりサボりが多いのだ。 前に丸井くんが「出席日数大丈夫かアイツ?」って心配していたような気がする。 「だってよー、この前2人でデートしてきたんだろ?」 「デートじゃないって…」 「つーかそんな情報どっから掴んできた」 「柳」 「(柳? 誰だろ)」 「アイツもどっからそんな情報仕入れてくるんかの」 「っていうか、あれはほんとは丸井くんとのデートだったんでしょ」 「あ? 俺なまえとデートする約束なんてしてなかったけど…」 「私じゃなくて、仁王くんと!」 「そーそー、俺とのデートを誰かさんがすっぽかしたナリ」 「仁王とデートとか気持ちわる! 誤解されそうだからその言い方やめて」 「あ、私ちょっと誤解しちゃったよ、最初ね」 「あー、ほら。俺そういう気ねーからな! 仁王はどうかわかんねーけど」 「どういう意味じゃ」 「そんまま」 「俺にもそんな気ないぜよ」 不快そうにお互い眉を顰め合っている2人を放置して、お弁当の片付けに取り掛かる。明日のお弁当のおかずを何にしようかぼんやり考えながら空を見る。ちなみに今日は学食じゃなくて屋上でランチ。広々としてて、風が気持ちいい。学食のように騒がしくないからゆっくりお昼に専念できた。ごちそうさまー。 「そういえばあのピアスどうだった? 気に入ってもらえてるといいんだけど」 「あー、あれな。姉貴喜んでたわ。ありがとな」 「よかったー」 「俺も混ぜろよ」 「ピアスいいなあ。私もいつかあけてみたい」 耳たぶの裏を指で遊ぶ。高校入ったらあけてもらおうかなぁ。あ、そのまえにお母さんたちの許可もらわなくちゃ、かな。 仁王くんのお姉さんのためにと選んだピアスを思い浮かべる。耳元で光るキラキラが、ひどくうらやましくなった。宮城さんの耳にはいつもキラキラ光るピアスが飾られていて、すごく綺麗。 「痛いのかな」 「あんまり」 「仁王開けてねーだろ」 「開けるのは慣れてるんじゃ」 「なんでだよ」 「姉貴の耳開けたの俺じゃし」 「仁王くんて器用そうだよね」 「今度開けてやろっか?」 「え、?」 仁王くんの指先が耳たぶに触れる。髪を掬われて耳にかけられる。 「こう、針でぶすっと」 「あ、い、たっ?!」 いきなり耳たぶをつめではさまれる。痛かった。 「まあこんくらいの痛みじゃな」 「ほんとかよ」 「結構痛かったですよ! 仁王くん爪長い!」 「んー」 (突発行動が多いです!) 吃驚した |