さあ、練習を始めよう。赤司の声で夏の暑い練習が始まろうとしていた。
その前に紫原は赤司の前に佇む。理由は1つである。

「赤ちん髪結んで〜」

紫原の髪を結うことは、赤司の日課になりつつある。赤司に結んでもらうととんでもない髪型になることは自分でもわかっている。しかし自分ではできないのでやはり赤司に頼むしかないのだ。

「敦、自分で結えるようになるんだよ」

そう言う赤司の声はどこか嬉しそうで、それが何よりだと紫原も思っていた。
赤司が言うには、紫原は宇宙人らしい。だからヘンテコな髪型にしてやらなくてはいけないそうだ。

「赤ちんはおれが地球人だったらどうするの」
「それでも変わらず好きさ」
「…そうなの?」
「髪の毛は鬱陶しいと思うかもしれないな」

赤司は地球人の髪の毛には興味がないらしい。そして紫原はこれからもずっと宇宙人として生きていく、ずっと。



120805
赤司征十郎の憂鬱


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