お前以外


「俺の愛人になれ」

常連の彼から紡がれる甘い言葉。最初こそ驚いたけど、今ではすっかり慣れてしまった。

「またですか?」

「お前が是と言うまでは何度でも言うぞ」

「それ暗に拒否権ないってことですよね」

ピークを過ぎた店にいるのはカウンターに座る彼と私だけ。

「他に相手はいくらでもいるでしょうに」

その美貌でいったい今まで何人の女性の心を射止めてきたんだろうか。

「お前が望むなら他は捨ててもいいぜ?」

おおぅ爆弾発言。そんなんじゃいつか刺されますよ。

「相手の方も気の毒に」

「…おい、ここは喜ぶとこだろうが」

「は?」

「はぁ、つまりな…」



お前以外はいらねぇってことだよ

(…ぇえ!?)
(気付けバカ)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -