巡り合う
「・・・やっぱり帰ろうかな」
激しく後悔した。夜の学校なんて自分からは絶対来ない。怖いから。今も校門の前に立っているだけで足がすくみそう。
「もし、」
「ぅあっ!」
誰かに背後から肩を掴まれて思わず奇声が出た。
「す、すまぬ。驚かせてしまって・・・」
「あ、え、真田くん?」
なんで、ここに。あ、佐助くんが呼んだのか。
「佐助が山下殿に門のことを話してないと言っていた故」
こちらでござる。と幸村くんは私の手を引いて校舎の裏側へ走る。
手が熱く感じるのは、空気が冷たいせいだ。
「裏門は夜でも開いている故、皆そこから入ったでござる」
「みんな・・・?」
「左様。佐助に政宗殿、元親殿、慶次殿も誘ったでござる。元親殿は元就殿も連れてくると言っていたが・・・」
静かな暗い廊下に真田くんの声だけが木霊する。
こんなにしゃべったの初めてだな。私話してないけど。
「・・・あの、屋上で何するの?」
「星を見るでござる!」
「星?」
「今宵は流星群が見れるのだ!!」
計画の旨を聞き終わるころには彼は屋上の扉に手をかけていて、
視界にいっぱいの星空が広がった。
← →