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「おや。どうしたのですか楓。かおがあかいですよ」

「・・・・・・上杉、先生」

足は自然と保健室に向かっていた。中には保健医の上杉先生しかいなくて、春日ちゃんは買い出しに行ってるらしい。

「ちょうどおちゃがきれていましてね。かすががかいにいくときかなかったんですよ」

その時の光景が容易に浮かぶ。春日ちゃんの表情はこれまでにないくらい輝いていたに違いない。

「それで、そちらはどうしたのですか」

「・・・ちょっと、居づらくなって」

「またにげてしまったのですね」

上杉先生はお茶の代わりにホットミルクを出してくれた。なんでもあるなここ。普通保健室に電子レンジなんてない。あと牛乳も。

「緊張して体が勝手に動いちゃうんです」

「したうとのがたをめのまえにしたならとうぜんのこと。はじることではありません」

「頭ではもっと話したいって思うんですけど・・・」

「もくひょうをもつのはいいことです。けれどかんがえるだけではいみをなしません。のぞみをつよくねがうならこうどうにうつさなければ」

ああ、やっぱり。ここは落ち着く。欲しい言葉が、ある。

「・・・はい」

気が楽になった。心が軽いってこういうことだ。

ポケットが震えた。佐助くんからメールだ。





『今晩8時屋上に集合』




・・・夜って学校閉まってるんじゃ








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