顔がニヤける
「よし!」
エプロンを着て台所で献立を考えること5分。
今晩は炒飯にしよう。ご飯あるし卵も肉も冷蔵庫に入ってた。あ、緑がない!仕方ないここはグリンピースで…
「あの」
「何?六道君」
カウンターから覗き込む六道君。その姿も様になってるな。
「あ、もしかしてグリンピース食べれなかった?」
「違います。…随分量が多いなと思って」
「だって二人分だし」
私と六道君の。さすがにこの量を1人では無理だ。いくら私が育ち盛りでも。
「…貴方は馬鹿ですか」
会って間もない人に馬鹿って言われちゃったよ…軽くショック。
「いくら僕が死んでないと言っても、この体では何もできないんですよ」
わかっているでしょう?彼は自らを嘲笑ってるようだった。
「…でもそれ寂しくない?」
それはまるで空気のようで。ここにいるのにいない。誰も気付かない。透明の存在。
「いるってわかったら安心しない?」
会話を続けながらも手は止めない。料理は手際の良さが重要。
「…あいにく僕はそのような脆弱な心は持ち合わせていません」
あらら、もしやお節介?いらん世話やいちゃったかな
「……ですが、完成を楽しみにするとしましょう」
六道君、それは。
期待しちゃっていいんだね!?
どーしよ、やる気出てきた!
(はい、お待ちど―)
(…なんでこんなに緑なんですか)
(グリンピース風味にしてみました)
(ご飯が見えませんが)