綺麗に笑う君
つまり、彼は死んだわけでもないのにいつの間にか霊体化していたらしい。生霊ってことか。
しかもまだ中学生らしい。年下だったことにびっくりだ。
「君、名前は?」
「…六道骸」
随分変わった名前だな。そのネーミングセンスは如何なものか。
「六道君、帰れるまでここにいる?」
「……」
無言だ。いやってことかな…
「情報収集もしなきゃなんないし、話せる相手がいた方が退屈しないよ?」
「…いいんですか」
すごく小さな声が六道君の口からこぼれた。
「僕は、貴方に害を与えるかもしれませんよ」
触れることもできないのに、どうやって害を与えるんだ。ポルターガイストとか?
「そこは六道君を信じて」
物理的なことはできないはずだし。
「…善処します」
そう言って六道君は笑った。照れたような、恥ずかしいような笑顔だった。
(六道君ってイケメンだね。将来が楽しみ)
(は?)