私にしか見えない人



…あれはいったい何なんだろう。

いや、あれが何かはわかるんだけど。
何であんなとこに立ってるんだろう?
服装も上下ともに白って変だし。

…これは声をかけるべきなんだろうか。

道行く人はみんなあれを無視して通り過ぎて行ってるし。
誰か少しくらい気にかける人はいないのか。まったく。

はあ。


「あの、こんなとこで何してるの?」

意を決して話しかけると、彼は二つの色の違う瞳を大きく見開いた。

「…僕のことが、見えるんですか」





(しまった、そっち系の人か!)



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