「お前は何度失敗したら気が済むんだ!」

 「す、すみません!サターン様」


 資料室に用事があったルナは、サターンが部下に説教をしているところを見かけた。



 「ヤバっ、急がなきゃ…!」




 最近少し





 「え?!何…?」

 今、私は目的の資料室にいる。



 「だからー。サターンが呼んでたわよ!ルナのこと」

 あれ…?私、また何かしたっけ?
 これでも一応幹部の私だが、サターンに報告書の事でお叱りを受けたのは
 まだ記憶に新しかった。





 「う、うん!とにかく、ありがとう!ジュピター!」

 私は手に資料を抱えたまま急ぐ。
 急ぐけど…本当に何かしたっけ?最近、サターンは怒ってばっかりだと思う。
 サターンが呼んでるとなると、大体の場合はお説教。
 というか、あの人と会う時はお説教以外にない。
 そんな事を考え、急いで曲がり角を曲がったその時だった




 
 どんっ





 「うわっ」

 「きゃあっ」

 資料が手から床にこぼれ落ち、バサバサバサという音がする。
 今ぶつかってしまったのは、もしかして…?



 「まったく…何をしている、ルナ!」

 「うわあっ、やっぱりサターン?!」

 よりによって、本人に体当たりとは最悪だ。
 怒りボルテージ軽く三倍上乗せといったような具合だ。



 「やっぱりとは何だ!それとだが、またお前は機械室の鍵を…っておい。聞いているのか!」

 「……」

 いつもなら、小馬鹿にしたような態度でつっかかってくるルナが、今日はじっと黙り込んでいた。
 流石にまずい。と思ったのか、サターンは手を肩に乗せようとする。




 「おい…」

 「サターンは、いつも怒ってばっかりだよ!?」

 突然大声で言われて少し驚く。


 「は…「サターンは私のことがそんなに嫌い?だから、そうやっていつも怒ってるの?!」

 サターンは目の前でわんわんと泣き続けるルナを見て、彼女がこんな事を思っていたなんて。
 と初めて気付かされた。





 「…仕方がない。今日だけは許してやる」

 ポンとルナの頭に手を置きながら言う。


 「え…?」

 私は急ぎ足で去っていく青い猫耳をじっと見つめた。







 全く、調子が狂う…
 (ちょっと優しくなった…?)(私らしくない。こんな事)

.
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -