今日から配属が変わる。

 「昨日考えすぎてあんまり眠れなかった…」


 
 今日こそはぐっすり眠るぞ。と眠る仕度をする。
 サターンは今頃、任務の準備とかしてるのかな。などと考えてしまう。

 昨日と同じ、「もう寝るよ?」の声。
 でもその声の主はサターンじゃなくてジュピター。





 サターンはもう出かけたかな。――マーズと。考えれば考える程気分は落ち込む一方。
 すると突然ぽんと肩を叩かれる。


 「どうしたの?ルナ?ぼーっとして。あ、もしかしてサターンの事?」

 「そ、「まさか!そんな訳ないわよね」





 ジュピターが丁度そうやって言ってくれたから、この件は治まった。
 それから私達は、吸い込まれるように眠った。




 
 ◇






 カツカツカツ、と靴の音が廊下に響く。
 配属が変わってから何というか…やりにくい。




 「ちょっと!サターン!!レディーを置いて行くってどういう事よ!」

 ズカズカと女らしくない歩き方で近寄ってくるマーズ。
 コイツだから、しっくりとこないのか?
 ルナでないと嫌だから?そんな考えがグルグルと脳内を支配していた。



 「ちょっとー!聞いてんの?!」

 こんなのわたし、らしくない…。
 でもその思いを消すことはできなくて無言のまま廊下を歩く。




 「仮眠室――…」

 ルナが寝ているのか…。
 そのまま通り過ぎようとしたが、ピタリと足を止める。


 そーっと扉を開けて、ルナのベッドに向かう。
 嗚呼、わたしは何をやっているんだ…。と思うが歩みは止まらない。
 そっと覗き込むと色白の肌と規則正しい寝息。
 まるで変態ではないか…。そう思って立ち去ろうとする。




 「か、……で」

 反射的にパッと後ろを振り向く。



 「…サター、ン」

 寝言とはいえ、非常に驚いた。ルナがわたしの名を呟いているのだから。
 悲しくない夢だといいな。と思いながらルナの頭を撫で、仮眠室を後にする。




 「しまった!タイムロス…」

 そして急いで任務へ向かったのであった。







 君がわたしを想ってくれるなら
 (ルナ…)(サターン…)

.(100111 加筆修正)
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