ふわあ、と口に手を当てても収まりきらないくらいに大口で
  欠伸をすると目の前にぽんとコーヒー缶が置かれた。
  誰だろう親切な人だなぁと思い上を見上げてみればランスさんが
  立っていた。手にはもう一本コーヒーが握られている。



  ランスさんも休憩ですか?と問えば、そうですよ。と短い返事が
  帰ってきた。いつもは厳しく自分の班をまとめている人だけれども
  根は優しいのだ。ロケット団一冷酷だなんてありえない。
  喩えるなら今柔らかに降り注いでいる太陽の光のように温かい。





  「ねぇランスさん、温かいですね」

  「そうですね」





  この人は最近よく笑う。初めて一緒に任務をした時以来、
  たまに会って話したり相談にのってもらったりもした。
  コーヒーのプルタブを切ってこくりと一口。おいしいですと
  言って笑えばランスさんも笑みを零した。


  他の人はランスさんが本当はこんなに善い人だなんて知らないでしょう。
  自分だけが知っている笑顔。私だけが知っているランスさん。
  そう考えるだけで胸の辺りがほんわり温かくなった。






  「ねぇランスさん、温かいですね。今度どこか行きませんか?」

  「…! ふふ、そうですね」












  シークレットボーイ
  (もしもし)(春風に乗せて幸せをお贈り致します)

  午前3時さまに提出しました。

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