そう、貴方に出会ったあの日。
 やわらかい朝の日差しに滴る朝露。
 毎日目にしている風景もきらきら輝き、とても綺麗だった。



 そこで私は気づいた。見慣れないポケモンが花畑に佇んでいることに。
 いつも通りミルタンクにミルクを貰いに行くところだった。



 「君、ひとり?何処から来たの?」

 両手にバラを持ったポケモン。ミルクのビンを草の上に置き、しばらく居た。
 そして暫く時間が経ったときのことだった。





 パサリ





 私の頭の上に何かが落ちてきた。
 落ちてきたものが何か確認する為に手を頭上へ伸ばす。


 「アガパンサス・・・?」

 このパステル調の花畑に比べて爽やかなブルーがよく目立つ。



 「ロゼリア」

 そう呼んだのは、緑の髪の少年。
 サラサラの髪と綺麗な瞳が印象的だった。



 「このアガパンサス…」

 緑の髪の少年はふっと薄く微笑む。


 「君への出会いにプレゼントさ」

 ロゼリアを抱え、それじゃあ。と言って踵を返す。







 「君…名前は?」

 急に聞かれ、驚く私。



 「私は、ルナ!」

 ルナか。と呟き、また笑う。


 「僕はシュウ。また、会えたら会おうじゃないか」

 そう言い残して花畑から森のへと去っていった。
 ルナは貰ったアガパンサスを大事に抱えた。








 アガパンサスの花言葉は
 (恋の訪れ)(いつか、会えたら)

.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -