「「メリークリスマス」」

 ファクトリー備え付けのブレーン用の個室にはいつもと違うあたたかな空気が漂っていた。
 二人とも電気を着ける事もせず、ただツリーの電飾が部屋に灯りをもたらしていた。



 「こうして二人でパーティーするのも久しぶりですねー」

 普段あまり笑わない彼がふっと笑みを零す。
 ネジキがジョウトへ移ると言った時は本当に驚いた。
 その時まだ様々な面で弱かった私は親にジョウトに行きたいなんて言えなくて。
 こうして一年待ってやっと会えた。私もポケモンも強くなって。






 「あのね、ネジキ、大好き」

 「知ってますよー」

 そう言うとまたクスリと笑った。この人は意外にも笑顔が似合う。



 「…これからはジョウトで一緒に暮らしませんかー?」

 オレンジジュースの入ったグラスを静かに置くと、真っ直ぐと私を見つめた。
 それは私にとって他の何よりも嬉しい言葉だった。


 「ネジキ…!嬉しい、ありがとう!」

 温かい涙が頬をつたう。


 「あ、ルナ…ほら」

 指を指された方を見れば、星空に雪がちらついていた。








 dream star
 (七夕じゃなくてクリスマスに)(私の夢は叶いました)

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