ガサガサガサ…
今まで静かだったこの空間に突然音が混じる。
「誰だ」
今のこの時代、ギンガ団に反感を持つ者もそう少なくない。
いきなりの戦闘になってもいいように、モンスターボールに手をかける。
「サターン!やっと見つけた…!」
頭に沢山葉っぱをつけて草むらから出てきたのはルナだった。
「ルナ、どうして此処に…?」
すると彼女はえへへと笑って言った。
「部下の人達が出かけたって言ってて…サターンが来るとしたら此処かなって思ったんだ。
だって此処、思い出の場所だし。」
サターンは驚いた。ルナは覚えていてくれたのだ。あの時のことを。
「あのね、私…サターンのこと「分かっている。言わなくてもいい」
サターンは少し微笑みながら言う。
「だけど私、サターンより全然年下だし…吊り合わないかな、って」
ルナは悲しげな表情で笑ってみせた。
「ルナはそのままでいい。わたしは、いつも通りのお前が好きだ」
子供のような仕草も、可愛らしい言動も、無邪気な笑みも、すべて。
日が落ち始めた草むらからムックルの群れが飛び立った。
此処に実りし、恋。
(自覚なんてなかった)(サターン?)
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