「トム〜」

 「また、ついて来たのロゼ」


 生まれ育った孤児院で唯一仲の良かった、少し年下の女の子。
 彼女は年相応の可愛らしいワンピースでよく僕の後を着いて来た。




 だから、異性というより妹みたいな感覚に近かったのかもしれない。
 孤児院での殆どの時間をロゼと共に過ごした。
 そして僕が初めて『ダンブルドア』に出会い、僕が初めて『魔法』というモノの存在を認識した日。
 ロゼだけに全てを話した。
 あの頃の彼女にあんな説明が理解できたとは思わないけど。





 「魔法?!私も使ってみたいなぁ!」

 あの日、目を宝石のように輝かせて言ったロゼ。
 僕はその後に孤児院を出てホグワーツへ向かう事になる。
 だからロゼとは、もう会うことは無いんだなぁって。




 少し悲しかった。






 だけど僕は半純血でロゼはマグル。
 結ばれる事なんて叶わないけど、僕が彼女に抱いていた
 『恋心』あれだけは否定できなかった。
 僕は『魔法』というモノに触れ、変わってしまうかもしれない。
 だからせめて、この気持ちだけは忘れないように。







瓶詰めのメッセージ
(ロゼがもっと大きくなったら開けてごらん)

数年後、ホグワーツにロゼという少女が入学するのはまだずっと先の話。

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