「ロゼ、優等生にならないか!」

 「えっ!?」







 









 「ええ、勿論!なんて言うと思ってるの?」

 優等生にならないか。何て突然言われて承諾する人が何所にいるというのだろう。
 まぁ、なれ。と言われても不可能なのだが。



 「で、急に何なの?リドル」

 当の本人は、頭が狂ったんじゃないかというぐらいの笑みを零している。
 周りが光って見えるのは気のせいだろうか。





 「いや!最近、猫を被っているのも疲れたんだ。だから君と一緒に…」

 「絶対お断りよ」


 今まで散々、疲れただの何だので私の所に来ては
 愚痴を聞かされたり八つ当たりされて殺されかけたりしたのに!
 …仕舞いには道連れですか。
 貴様もこの苦しみを味わうがいい!っていう調子で
 また猫を被っているんじゃないかと疑うが、彼の微笑みは何と言うか…



 『超素敵な笑顔』だ。
 あああ、どうしちゃったんだこの人。
 周りの女子はきゃーきゃー言ってるけど、私的には逆に気持ちが悪い。





 「さぁロゼ!どうするんだい?」

 おまけに超ハイテンション。
 今日は世界が終わる日か?ついに神様の最後の審判ってやつか?
 人類はもう終わりなのか…。少し残念だ。




 「悲しいなぁ、生きてる間に一度だけハニーデュークスの『超特大クランペット』を
食べてみたかったのに!」

 そりゃあ、もう超特大で超高級で超美味しくて…って?
 目線がリドルと右手に釘付けになる。




 「じゃあ話が早いね。決定だ」

 リドルが目の前にちらつかせているのは、私の目標物そのもの。




 「えっ、リドルそれ…」

 「ロゼがオーケーしてくれたら良いよ」

 ロゼは生唾をごくりと飲み込みゆっくりと袋に手をのばした。








 女の子は甘味に弱いのです

 その後、廊下で暴れるロゼを誰も目撃しなくなったとか。

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